正月になると小さくて丸い赤色の実を見ますよね。あれは南天という植物の実なのです。
南天は縁起の良い木として広く認知されています。
しかしそれだけでなく、白い綺麗な花を咲かせたり、家庭での観葉植物としても人気です。
今回はそんな南天の魅力に迫ります。
南天が正月等のめでたい時に飾られるのは、鎌倉時代頃にその名前から「難(ナン)を転(テン)じる」と考え縁起の良い植物とみなされ始めたことに由来します。厄除けとしてそこかしこに植えられました。
戦国時代になると、武士の戦勝祈願、妊婦の安産祈願のお守りとして用いられるようになります。
江戸時代になると庶民にも広く普及していき、民衆の庭に植えられるようにもなりました。
品種改良も進んで、樹高、実の色、葉の形に関してたくさんのバリエーションができました。
明治時代には120種類以上のものが存在したほどです。
現在では「古典園芸植物」として、40種ほどが登録保存されています。
南天の花は花びらが白く、雄しべが黄色いです。その色のコントラストが見る者を魅了します。
穂のように咲く、6弁の花びらです。これが初夏に咲き乱れるので観賞用として楽しめます。
初夏に咲いた後は、その花が実に変わります。秋には美しく紅葉しとても鮮やか。6〜7mmのその果実は、人間にとっては先述のように縁起物、野鳥にとっては食べ物として重宝されます。
生薬としても優れもので、実に含まれるナンテニンは、咳止めや殺菌効果があります。
南天は見てよし、飾ってよし、薬としてもよしの優れものです。
加えて、その環境順応性からご家庭での栽培にも向いています。
耐寒性があり、水やりもそこまで神経を使わなくていいとあって人気があります。
おすすめの植物です。
※トップ画像はPhoto by SHUSHUさん@GreenSnap