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「林業女子」 詳細解説

読み:
りんぎょうじょし
英名:
Women who work in Forestry

農水産業の世界では以前から女性の働き手が少なくなかったが、林業の分野は男性中心だった。森林に分け入って樹木の伐採や間伐を行ったり、産品を町へと運んだりする仕事のほとんどが重労働で、チェーンソーなどの機械や集材機のような重機を使用する場面が多いためだ。しかし、近年、若い世代を中心に林業の世界に飛び込む女性が全国的に増えており、このような女性は「林業女子」と呼ばれる。

その取り組み方はさまざまだ。大学で林業や森林について学んで林業関係の会社に就職した人や、森林管理や保護を行うNPOのスタッフがいる一方で、普段は一般企業で働きながら、休日だけ間伐などのボランティアをする人もいる。いずれも、生活の一部として林業に関わることを目指す点が特長だ。林業女子が増加した背景として、森林や林産品に興味をもつ女性が増えていることが大きい。森林は木材の供給源としてだけでなく、森林セラピー環境教育、レクリエーションの場としても注目されている。

「男の職場」ととらえられてきた職種に女性が進出しやすくなった社会の変化や、FSCをはじめとする森林管理の浸透に伴い関連の製品やサービスが増えたことも関係している。また、森林管理の分野ではこれまでもさまざまなNPOやボランティアが活動しており、初心者でも取り組みやすい下地が整っていた。林業者は、高齢化や後継者不足に加えて、不採算を理由に放置された荒廃林などの問題に頭を悩ませているだけに、林業女子の活躍に期待を寄せる向きは多い。

林業女子の集まりである「林業女子会」は、2014年12月の時点で全国10カ所以上にある。「林業女子会@東京」は、「女性による森づくり」をテーマに森づくり活動に取り組んでいる。「林業女子会@静岡」は、日本の木材や林業に関するイベントや情報発信を行っている。このほかに、「林業女子会@京都」や「林業女子会@長崎」などもある。いずれも林業現場での作業はもちろん、林業への取り組み方や森林に関する普及啓発や、新しい森林の価値発見などの活動に取り組んでいる。

林業女子による活動のかいもあり、林業を仕事にしようという女性は確実に増えつつある。また、国産木材の利活用に、彼女たちの力を借りようという動きも出始めている。

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