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「間伐」 Q&A解説

読み:
かんばつ
  • Q: 木を間引かない方がCO2を多く吸収するのでは?
    生長した森の木が多いほど二酸化炭素(CO2)の吸収量は大きいのだろうか?

    A: 国産材に関していえば、木は使えば使うほどCO2を吸収する。森には、大きく分けて自然林(原生林と天然林)と人工林がある。原生林は、基本的に人の手がまったく入っていないもので、伐採も植林もしていない、原始のままの自然の営みが続いている森林のこと。原生林は、世界でもその面積を減らしており、そこに生息する動植物などを保護するためにも、そのままの状態で保つことが重要。ただし、原生林にはCO2を吸収する能力はないといわれる。これは、木が生長する際に吸収するCO2の量と、寿命を迎えた木が倒れ、腐食して排出するCO2の量が均衡しているため、総合するとCO2を出しもしなければ、吸収もしないことになる。しかし、CO2を蓄積していることは重要である。、木質の腐食には時間がかかり、地中に安定した状態でCO2が蓄積され、その量は地上部の蓄積量の3〜4倍に達するという報告もある。結果的には、大きな吸収源、蓄積源になっている。さらに、吸収源という役割以外の森林の役割、水源涵養力、水や空気の浄化、土壌保全力などの役割も重要だ。天然林は、伐採なども行われているが、組織的な林業というよりも森の自然な営みの中に人間が時折介入する森林と考えられる。一方、人工林は、定期的に植林を施しながら、森を維持しており、生長した木は建材や紙などに加工される。木は生長過程でCO2を吸収するため、森がCO2を吸収するといった場合の主役は人工林であるが、その人工林が放置されていると新たに植林をすることもできず、CO2の吸収能力は減少していく一方となる。つまり、人工林に関していえば、森を維持しながら、生長した木を伐採し、新たな苗を植えるというサイクルが大事であり、国産材に関していえば、木の製品は使えば使うほどよいということになる。

  • Q: なぜ、間伐が行われていないの?
    間伐が全国各地でうまく進まないのはなぜなのだろうか。

    A: 間伐とは、スギなどの人工林で、森林の健全な成長を促すため、生長の段階に合わせて一定面積あたりの本数を減らし、十分な日あたりが確保できるようにする間引きのことだ。戦後、木材需要が高まっていた頃は、木は高く売れていたが、外国産材の流入などにより、次第に木材価格が下落した。また、かつては社会のさまざまな局面で使用されていた間伐材が、現在では鉄やプラスチックに取って代わられている。そのため、間伐にかかる費用を捻出できなくなっているのが、間伐が行われない大きな原因となっている。十分に生長した木が高値で売買されていれば間伐費用を先行投資として捻出することも可能となるが、現在ではそれも難しい。また、林業就労者の高齢化や、人手不足も間伐を困難なものにしている。一方、人工林の多くが間伐期を迎えている。この対策として、林野庁では、「地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策」を策定し、間伐の遅れた森林を集中的に解消し、健全で多面的な機能を発揮する森林を育成するため、2005年度から3年間で約90万haの森林を計画的に整備する3カ年対策を実施している。

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