A: 農薬にはたくさんの種類があり、効果や効能もさまざまだ。農林水産省は、殺虫剤、殺菌剤、殺虫殺菌剤、除草剤、殺そ剤、植物成長調整剤、誘引剤、展着剤、天敵、微生物剤などに分類している。殺虫剤は害虫を防除し、殺菌剤は農作物を病気から守る。その両方の効能をもつのが殺虫殺菌剤だ。除草剤は雑草を、殺そ剤はノネズミなどを防除する。誘引剤は匂いなどで害虫をひき寄せ、展着剤は他の農薬と混ぜて付着性を高める。また、植物成長調整剤は、農作物の生育を促進したり、抑制したりするのに用いる。一方、病害虫の天敵となる昆虫や微生物、それらの抽出物を使った生物農薬も農薬とみなされる。
A: 農作物の防除に使う薬剤や天敵のうち、安全性が明らかな「特定農薬」は、農薬取締法に基づく登録を受けなくても農薬として使用することができる。特定農薬としては、食酢、重曹、天敵の3種類が指定されている。いずれも農作物を病害虫や病気から守るための殺虫・殺菌に用いられる。たとえば、食酢の場合は薄めてリンゴなどの果樹に散布すると、病害虫が発生しにくくなる。また、重曹を薄めて家庭菜園などに噴霧すると、初期のうどんこ病や灰色かび病を治すことができる。一方、天敵としてはクモや昆虫などが使われることが多い。