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「ウォーターフットプリント」 詳細解説

読み:
うぉーたーふっとぷりんと
英名:
Water Footprint

農産物生産や食品製造などの過程では、大量の水が使用される。日本は食料の多くを輸入に頼っており、農産物を輸入することでそれらが海外で生産される時に使われる水資源も同時に輸入しているといえる。このような間接的に輸入している水資源を推定して把握する方法として、仮想水(バーチャルウォーター)がある。このバーチャルウォーターなどの概念をもとにして、食品などがライフサイクル全般で水環境に与える影響を「見える化」した指標がウォーターフットプリント(WF)だ。

ウォーターフットプリントを日本語に訳すと、「水の足跡」となる。農作物生産や食品製造にあたり、直接または間接に消費、汚染された水の量を示している。似た名前の指標に、人間が天然資源を消費している量を土地面積で表したエコロジカル・フットプリント、人間活動が炭素の循環や地球温暖化に与える影響を把握するためのカーボンフットプリントなどがある。

国際NGOの「ウォーターフットプリントネットワーク」(WFN)は、独自にデータの算定を行い公開している。そのデータをもとにした国立環境研究所の解説によると、白米1kgの ウォーターフットプリントは世界平均で約2500リットルとなり、ご飯一膳(80g)あたりでは200リットルになるという。つまり、私たちは茶碗一杯のご飯を食べるたびに、200リットルの水を消費しているという計算になる。また、食パン1斤をつくるのに必要な水は約500リットル、ステーキ200グラムを食卓に届けるのに必要な水は約4000リットルに及ぶという。

現在、世界各地で水不足や水質汚濁が深刻化しているだけに、食生活が世界の水資源に与える影響を把握することは重要だ。こうした要請を受けて、ISO(国際標準化機構)は2009年にウォーターフットプリントの規格化に関する検討を開始した。環境への影響評価手法や地域偏在性の検証、水質劣化の取り扱いなどについて議論を進めており、2014 年中にISO14046として発行する予定だ。

日本では、東京大学生産技術研究所の沖大幹教授らのグループが、ウォーターフットプリントに関する試算と提言を行っている。

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