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「FSC」 詳細解説

英名:
Forest Stewardship Council

世界の森林は、農業や薪炭材採取、森林の不適切な管理や取引、鉱山開発、大気汚染などの人間活動の影響により、急速に消滅している。また、単一樹種による過度の植林や大気汚染などによる森林の質の劣化も大きな問題となっている。この問題を解決するためには、森林を保護するだけでなく、森林の質を維持・向上させながら、資源供給のための適切な森林管理の実現が必要不可欠だ。

FSCとは、森林管理協議会(Forest Stewardship Council)の略。森林や林産物の認証機関の評価・認定・監督を行なう非営利の国際組織として1993年に設立された。世界各地で行なわれている無秩序な森林の伐採を食い止め、環境保全の視点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を推進することを目的としている。ドイツのボンに国際本部が置かれ、本部では、認証審査に関わる指針や基準の作成、認証機関の認定作業、認証機関がFSCの要求事項を遵守しているかどうかを監査している。

FSCの認証には2種類あり、その一つがFM認証(森林管理認証:Forest Management)だ。環境、社会、経済の観点から森林管理が適正に行われているかどうかを、10の原則と森林管理基準に基づいて評価・認証する。環境面については、生物の多様性、水資源・土壌等への環境影響などが評価される。もう一つはCoC認証(流通管理認証:Chain of Custody)だ。認証された森林からの産物が、製品へ加工されて流通する過程において、森林認証を取得していない森林から生産されるものと混じらないように適切な管理を行って使用されているかどうかを認証する。

FSCにより認証された製品には独自のロゴマークを付けることができ、認証を受けた森林から来ている環境配慮型の製品であることが保証される。ただし、このロゴマークの使用に当たっては、「FSCロゴ使用ライセンス契約」を締結した上で、ルールやガイドラインに従わなければならない。このロゴマークが付いた商品が市場に流通し、消費者がそれらを選択することで、適切な森林管理を行なっている林業者を支援し、ひいては世界の森林保全に貢献することにつながる取り組みである。

日本では、三重県の速見林業や、高知県の梼原町森林組合などがFSC認証を取得している。世界のFM認証面積は2010年5月現在で約1億2917万ha、79カ国、1011カ所もある。そのうち日本は32カ所、認証面積は約36万6000haだ。一方、CoC認証は世界で1万6985件あり、そのうち日本は980件ある。

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