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「ISO22000」 詳細解説

読み:
あいえすおーにまんにせん
英名:
International Organization for Standardization 22000

ISO22000は、ISO(国際規格認証機構)のTC34委員会(食品)が作成した、食品安全マネジメントシステムだ。2005年9月に発行した。食品安全に関するリスク分析の手法をHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:危害分析重要管理点)から、マネジメントシステムの考え方をISO9001から取り入れている。ISO9001との両立性を高めるように構成されており、適用範囲、引用規格、用語及び定義、食品安全マネジメントシステム、経営者の責任、資源の運用管理、安全な製品の計画及び実現、食品安全マネジメントシステムの妥当性確認、検証及び改善の8章から成る。

米国などでは、食の安全な管理を表す理念として、“From Farm to Table”(農場から食卓まで)という言葉がよく使われる。ISO22000は、この言葉と同様に、食品チェーン全体、農場から小売、そして一般消費者へ届くまでにかかわるすべての組織(フードチェーン)を適用範囲としている。その中には、洗浄や輸送を行う業者など間接的に携わる業種も含まれるため、適用対象企業は広範囲にわたる。従来、食品安全の管理手法は各国、各社で独自に行われていたが、国際基準ができたことにより、異なる安全性管理システムの整合化を図ることが可能となった。このほかに、食品安全管理体制の構築及び証明や、企業の社会的責任(CSR)の実践につながるなどのメリットがある。

関連規格として、ISO22000使用のための技術指針となるISO/TS22004や、食品安全マネジメントシステムの監査や認証を行う組織の要求事項を定めたISO/TS22003などがある。日本は、2002年5月にTC34委員会の投票権あるメンバーとなり、国内審議団体として農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が登録された。また、一般財団法人日本適合性認定協会(JAB)を認定機関とした、認定及び認証制度の枠組みも整備されている。JABのデータによると、日本では2014年1月現在で544件の組織がISO22000規格の認証を受けている。

ISO22000のもととなったHACCPは、米国で開発された衛生管理システムだ。食品安全上重要な微生物や化学物質などの危害要因を明確化して、評価、制御する。「HACCPプラン」といわれるマニュアルを事前に作成し、日常の衛生管理をきちんと行って病原菌の汚染や増殖を防止し、食中毒などの食品事故発生を防ぐ。日本では、1995年の食品衛生法改正でHACCPの承認制度が導入され、法が定める基準により製造するか、HACCPにより製造するかを選べるようになった。また、食品製造事業者がHACCPを導入する際の施設、設備整備にかかる費用について、長期低利融資などによる支援を行うHACCP法もできた。

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