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「自然食品」 詳細解説

読み:
しぜんしょくひん
英名:
Natural Food

古来、食べ物は太陽、土、風、海などの自然から贈られたものだという考え方があった。実際、日本でも江戸時代までは農作物の肥料は人糞が中心で農薬や化学肥料などは使われなかったし、魚介類などでも、わずかに海苔などが養殖されることはあっても大半は天然物だった。

ところが、戦後になってから単位面積あたりの食料の生産量を増加させるために、農薬や化学肥料を使った農産物、あるいは合成飼料で養殖した魚などが食卓に出回るようになった。1970年代になって、自然保護エコロジーへの関心、また健康意識が高まってくると、このような食品に対する疑問が起こってきた。近代化される以前の農業や漁法と同じような、農薬、化学肥料、化学飼料を使わない「自然食品」に対するニーズが高まり、70年代半ば以降、自然食品の店が続々オープン、自然農法、有機農業などが注目を集めるようになった。

「自然食品ブーム」は90年代以降最盛期を迎え、農薬や化学肥料を使わないで作った米、野菜などの農作物をはじめ、化学飼料を与えないで育てた牛や豚や鶏、魚類、あるいは合成添加物を使わない加工食品、遺伝子組み換え作物を原料として使わない食品など自然食品の裾野がさらに広がっていった。

さらに、「村おこし」と関連して、それぞれの故郷でとれる、あまちゃづる、山クラゲ、しいたけ、山菜、海産物など地域の食品が販売されるようになった。宮城県栗原市の自然薯、徳島県那賀群木頭のゆずなどが代表例である。このように、「自然食品」は、自然と関連があり、健康に良いイメージの食品の総体を示す言葉として使われている。

2006年12月には、有機農業推進法が施行された。化学肥料や農薬を使用せず、遺伝子組換え技術を利用しないなど、環境への負荷が低い「有機農業」を推進するための法律だ。有機農産物の普及に伴い、自然食品の人気がさらに高まることが予想される。

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