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「海洋深層水」 Q&A解説

読み:
かいようしんそうすい
英名:
Deep Seawater
  • Q: 日本での研究はいつから始まったのか?
    海洋深層水について日本のどこで、どのような研究がされてきたのだろう。

    A: 海洋深層水は、再生可能な海洋資源として世界的に注目されているが、日本では1970年代後半から資源利用としての研究が行われるようになった。1985年に科学技術庁(現文部科学省)によって、海洋資源の有効利用技術を研究するアクアマリン計画が立てられ、その一環として高知県の室戸岬海域が海洋深層水のモデル実証海域に指定された。1989年に「高知県海洋深層水研究所」が設立され、水深320mから海洋深層水の汲み上げ施設が完成、水産、農産、工業、医薬分野などのさまざまな研究がスタートした。富山県には1994年に深層水利用研究施設が整備され、2001年には静岡県焼津市に海洋深層水取水施設が完成している。このほか、沖縄県の久米島、鹿児島、北海道などでも取水設備や施設整備が進められている。

  • Q: 海洋深層水と環境問題
    海洋深層水を活用して、地球温暖化防止などに役立てる可能性は?

    A: 産業革命以来、人類は自然の資源を使い続け、中には枯渇寸前のものもあるが、海洋深層水は豊富にある資源であり、その有効活用は資源・エネルギー問題にとって重要なテーマといえる。たとえば、地球温暖化防止にも、海洋深層水は寄与すると考えられている。火力発電所の複水器冷却水に低温の海洋深層水を利用することによって、発電効率が高まるため、二酸化炭素の削減に貢献するし、深層水の低温・清浄特性を利用して、低温貯蔵、空調システム、冷凍システムなどが実現されれば、省エネルギーにつながると考えられている。海洋深層水を、利用後に海に戻したところ、周辺の磯焼けの海辺に海藻が生い茂り、魚介類なども復活したという調査結果も示されている。海洋深層水による沿岸肥沃化が実現できれば、海辺の自然環境の改善に大きな力になると期待されている。

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