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「日中韓環境協力」 詳細解説

読み:
にっちゅうかんかんきょうきょうりょく
英名:
Tripartite Environmental Cooperation among Japan,China and Korea

環境問題は多様化、複雑化、広域化しており、1国の対策を強化するだけでは根本的な解決にはつながらない。アジアに目を向けると、大気や水質汚染などの公害問題のほかに、廃棄物の不適正な処理や移動、化学物質問題、生物多様性地球温暖化などにかかわる問題が各地で顕在化している。これらの問題に対処するためには、北東アジアの中核をなす日本、中国、韓国の3カ国が協力して、環境管理における主導的な役割を果たし、地球規模での環境改善に貢献する必要がある。

このような認識に立ち、日中韓三カ国の環境大臣は、「日中韓三カ国環境大臣会合」(TEMM)を毎年一回持ち回りで開催している。1999年に韓国のソウルで開催されたTEMM1では、3カ国が同じ環境共同体の中にあるという意識を向上することに加えて、情報交換の活発化、環境研究における協力強化、環境産業分野及び環境技術の協力促進など6つの優先環境協力分野が決まった。そして、2000年に中国の北京で行われたTEMM2で、湖沼の汚染防止など具体的な取り組みを進めるための「TEMMプロジェクト」を実施することが決定した。

その後も毎年会合が開催され、TEMMプロジェクトが実施されている。とくに化学物質管理や光化学オキシダントに関する研究などの分野で、広域汚染の解明に向けた取り組みが進んでいる。また、日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)や、環境ユースミーティング、黄砂共同研究、環境産業円卓会議なども実施されている。

2013年5月に北九州市で行われたTEMM15には、日本と韓国の環境大臣及び中国の環境副大臣が出席した。会合では、3カ国における環境政策の進捗状況を確認しつつ意見交換を行い、共同コミュニケを採択した。大気汚染については、3カ国による政策対話を新たに設置することで合意を得た。とくにPM2.5を含む越境大気汚染と黄砂などについては、発生源対策が重要であることから、世界銀行や地球環境ファシリティ(GEF)、モンゴルなどとの調整を進めることとなった。

このほかに、気候変動や、水銀に関する水俣条約、生物多様性、グリーン経済、災害・環境緊急事態対策への協力などについて合意した。2014年のTEMM16は韓国で開催される。

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