サイト内
ウェブ

「航空機騒音規制措置」 詳細解説

読み:
こうくうきそうおんきせいそうち
英名:
Agreements on aircraft noise abatement countermeasures

航空機騒音による生活環境や人の健康への被害を防止するために、国は環境基本法に基づき、「航空機騒音に係る環境基準について」を定めている。また、成田・羽田・中部・関西などの特定空港周辺における航空機騒音による被害を防ぐため、「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」がある。同法は、都道府県知事による基本方針の策定や、航空機騒音障害防止地区の設定などについて定めている。しかし、これらの国内法はあくまで日本の空港や航空機に対して適用されるもので、米軍基地を離発着する米軍機の訓練飛行などに伴って発生する騒音を規制することはできない。

一方、日本は米国との間で米軍の日本駐留などを定めた「日米安全保障条約」を結んでおり、国内には130カ所以上の米軍基地がある。基地がある地元の住民や地方自治体は、米軍機による騒音被害を軽減する措置を日本政府や米国などに求め続けてきた。こうした強い要望を受けて日米両国政府は日米合同委員会の場で、米軍機による騒音を規制するための取り決めを主要な基地ごとに行っている。同委員会は、日米安保に基づくわが国における米軍の地位や、基地での施設・区域の使用などに関する事項を定めた「日米地位協定」によって設置されたものだ。

このうち「航空機騒音規制措置(騒音防止協定)」は、沖縄県にある嘉手納基地飛行場と普天間飛行場における米軍機の飛行による騒音を軽減するために、1996年3月に同委員会により合意された。主な内容は次のとおり。
1) 飛行場への進入・出発経路などは、学校や病院など人口が多い地域の上空をできる限り回避
2) 普天間基地周辺では原則として海抜1000フィート(約305m)の最低高度を維持
3) 着陸訓練を行う航空機の数を最小限に削減
4) 燃料を排気管内に噴射して排気ガスを再燃焼する「アフターバーナー」の抑制
5) 普天間飛行場周辺と沖縄本島の陸地上空における訓練中の超音速飛行を禁止
6) 午後10時から午前6時までと、日曜日や慰霊の日などの飛行を制限
7) 午後6時から午前8時までジェットエンジンテストを原則禁止
8) 空戦訓練に関連した曲技飛行を原則禁止
9) 関係者への教育の実施とその順守、その他

この協定に基づき米軍司令官は、騒音をできるだけ最小限にするよう航空機を運用し、住民への迷惑を軽減するための措置を取らなくてはならない。また、パイロットに対して航空機騒音による被害の深刻さを認識させ、規制を守らせることも求められる。さらに、飛行場司令官などの関係者は、住民や自治体との間で緊密な連絡を取り、騒音問題に関する連絡を行うことになっている。

しかし、協定の合意後も住民から地元自治体へ寄せられる苦情は後を絶たない。また、住民が飛行差し止めを求めて起こした「普天間爆音訴訟」では、騒音の違法性は認められたものの差し止め請求は棄却されたため、控訴審での審議が続いている。なお、普天間飛行場の移設先を名護市辺野古とする内容の日米合意(2010年5月)には、嘉手納の騒音軽減に向けた取り組みの強化が盛り込まれている。

この協定と同じような取り決めとして、厚木飛行場の騒音軽減措置(1963年、その後改定)と、横田飛行場の騒音軽減措置(1964年、同)がある。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。