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「一次エネルギー」 詳細解説

読み:
いちぢえねるぎー
英名:
Primary Energy

自然界にあるままの形状で得られるエネルギーを一次エネルギーと呼ぶ。一次エネルギーの種類としては、石炭、石油、天然ガス、水力・地熱、その他がある。一方、ガソリンや電気、都市ガスなど、一次エネルギーを加工・転換して得られる使いやすいエネルギーを二次エネルギーという。国内で使われるエネルギーは一次エネルギーの形で供給され、これを一次エネルギー総供給という。また、二次エネルギーとなって消費者に利用されることを最終エネルギー消費といい、前者から後者へと転換する際に生ずるロス(転換損失)が小さいほどエネルギー効率がよい。

日本はGDP当たりの一次エネルギー供給が他の先進国に比べて小さく、世界最高水準のエネルギー利用効率を誇る。自国内で確保することのできる一次エネルギーの比率のことを、エネルギー自給率という。日本は、高度経済成長期にエネルギー供給量が増大したことを受けて、国内で採れる石炭から石油への燃料転換が進み、石油が大量に輸入されるようになった。これに伴い約半世紀前には60%近くだったエネルギー自給率は、2012年度にはわずか6%にまで落ち込んでいる。

わが国の一次エネルギー総供給で最も多くの割合を占めているのが石油で、2012年度で約44%となっている。その99.6%を中東など海外からの輸入に頼っており、輸入された原油は石油製品などに加工されたり発電に用いられたりしている。石油や関連製品は私たちの暮らしや事業に欠かせないものだけに、原油価格の高騰が日本経済を左右する事態を招くこともあり、エネルギー安全保障の観点から課題が多い。これは他の一次エネルギーについても同様で、石炭が約99%、天然ガスが約97%となっている。

エネルギー源の多様化が求められる中、新たな一次エネルギーとして期待されているのが太陽光や太陽熱、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーだ。再エネが一次エネルギー供給に占める割合は少しずつ増加しているが、2012年で約3.1%にとどまっている。このため政府は2014年4月に閣議決定したエネルギー基本計画で、明確な数値目標は示していないものの、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスなど再エネごとの取り組みを強化する方針を掲げている。

また、2011年3月に福島で発生した東日本大震災及び津波に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、稼働停止状態の原子力発電所を「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置付け、原子力規制委員会による安全基準に適合すると認められた場合には再稼働する方針を明示した。一方、国際的には、シェールガスシェールオイルなどの開発に伴い資源地図が大きく変動している。

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