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「学習指導要領」 詳細解説

読み:
がくしゅうしどうようりょう
英名:
Course of Study

学習指導要領は、全国どこでも一定の内容かつ水準の教育が受けられるように、各学校がカリキュラムを編成する際の基準として国が定めるものだ。学校教育法施行規則に基づき、文部科学大臣が告示するが法令ではない。各教科の単元構成や詳細が指示されており、小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校、養護学校の6種類がある。幼稚園については、学習指導要領に相当するものとして幼稚園教育要領がある。

1947年に現場での手引きとして作成された「学習指導要領一般編(試案)」が最初で、以降、時代の流れとともに、その内容は変化してきた。1977年の改訂では子どもの個性や能力に応じた指導の必要性が強調され、1989年の改訂では生活科が新設された。また、2002年から実施された改訂版では、以前の「つめ込み教育」への反省から、完全週5日制の下、各学校が「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開し、基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせることが要求された。一人ひとりの子どもたちの、自ら学び考える力を育むことが重視された。

たとえば、教科の枠にとらわれない内容で自らテーマを見つけ、考え、取り組んでいく「総合的な学習の時間」が創設された。「自然体験ボランティア活動などの社会体験、観察・実験、見学や調査、発表や討論、ものづくりや生産活動など体験的な学習、問題解決的な学習を積極的に取り入れること」が配慮すべき点として挙げられた。その一方で、授業数が減少し、教科の学習内容が大幅に削減されたため、「ゆとり教育」による学力低下が懸念されて議論を呼んだ。

こうした指摘を受ける形で、2005年に中央教育審議会(中教審)が「新しい時代の義務教育を創造する」というテーマで答申をまとめ、見直しが順次行われた。こうして2012年に全面実施された新学習指導要領は、「ゆとり」でも「つめ込み」でもない新たな道を示した。子どもたちの「生きる力」を育むという理念の下、知識や技能の習得に加えて、思考力、判断力、表現力などの育成を重視している。

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