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「胎児性水俣病」 とは

読み:
たいじせいみなまたびょう

妊娠中の母親が有機水銀を含む魚介類を摂食することで、胎盤を経由して胎児に起こる有機水銀中毒のこと。先天性水俣病とも呼ばれる。妊娠中や出産時には異常がみられないが、出生後に精神や運動の機能発達が遅れることによって気づかれる場合が多く、重症の場合は寝たきりの重度心身障害児となる。母親ではなく胎児に重い障害を与える胎児性水俣病の発見とその特殊な発生状況は、環境汚染の仕組みを解明し対策を考えていく上でも大きな意味をもつ。政府は、水俣病公式確認から50年である2006年9月に水俣病発生地域環境福祉推進室を設置。胎児性水俣病の患者をはじめとする水俣病の被害者に対する社会活動の支援や地域再生などに取り組んでいる。また、熊本県は、胎児性や小児性水俣病患者の生活を支援するサービスや、地域住民との交流など社会参加を促進するための事業、そのための施設整備などを行う団体に対する補助を実施している。水俣病については、公害健康被害の補償等に関する法律(公健法)に基づく被害者の認定業務が行われているが、胎児性水俣病の認定については見過ごされて埋もれる場合もあり、認定基準の見直しを求める意見がある。

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