日本全国の清澄な水と美しい水辺を多くの人に知ってもらうために、環境省は1985年に「名水百選」を選定した。当時の選定条件は、1) 水質・水量・景観・親水性などの観点からみて保全状況が良好なこと、2) 地域住民による保全活動があること、3) 規模・故事来歴・希少性・特異性・著名度などの点で秀でていること―など。この、いわば「昭和の名水百選」が選ばれてから20年以上が経ち、水辺をめぐる状況などは大きく変化した。
このため、同省は2008年6月に「平成の名水百選」を、全国各地の湧水や河川、用水、地下水などから新たに選んだ。これにより名水はあわせて200カ所となった。「平成の名水百選」の選定基準は次のとおり。1) 水質・水量、2) 周辺環境の状況、3) 親水性・近づきやすさ、4) 水利用の状況、5) 保全活動、6) 故事来歴や希少性、その他。なお、「名水百選」に選ばれているからといって、その水が必ずしも飲めるわけではない。飲用に適しているかどうかは、その名水がある地方自治体に確認する必要がある。