電気の力でお湯を沸かしてためておき、風呂や台所、洗面所などで必要な時に利用できる湯沸機。電気料金の安い夜間電力を利用するのが大きな特長だ。夜間電力は、発電時に利用する化石燃料の割合が低いため、二酸化炭素（CO2）の排出量が少ない。電気温水器にはほかにも次のような利点がある。1) 燃焼音がしない、2) 火を使わないので空気を汚さず換気不要、3) 不完全燃焼やガス漏れなどの心配がなく安全性が高い、4) 適温のお湯をいつでもすぐに使える、5) 自動的に給水・加熱するので燃料補給の必要がない―など。また、電気温水器の一種である「自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯器（エコキュート）」の中には、国による補助金制度の対象になるものがある。
多くの利便性がある一方で、電気温水器の訪問販売に関するトラブルが増えている。国民生活センターによると、家庭を訪れた販売業者からエコキュートなどの電気温水器を購入したものの、「あとから考えると高額だった」「せかされてつい契約してしまった」といった相談が寄せられているという。相談件数は2003年度から2008年9月末までの間に3894件に達しており、年々増加傾向にある。契約購入金額は100万円から150万円ほどで、契約した人の割合では男性の方が女性よりやや多い。また、その半数が50歳代以上だ。
