サイト内
ウェブ

「水質汚濁防止法」 とは

読み:
すいしつおだくぼうしほう

 公共用水域と地下水の水質を保全するため、工場や事業場などから出る排水の水質を規制する法律。1970年(昭和45年)に制定された。排水の水質は排水基準として定められており、「生活環境項目等」と「有害物質」の2種類があり、40項目にわたって全国一律の排水基準が定められている。また、一律基準では汚濁を十分に防止できない場合は、都道府県が条例でより厳しい「上乗せ基準」を定めることができる。一方、指定地域内事業場に対しては、排出水の汚濁負荷量の総量規制基準が定められている。公共用水域に工場や事業場から水を排出する者は排水基準を守らなければならず、特定施設を設置する時は事前に都道府県知事に届け出なければならない。また、工場や事業場などから出る排水により、人の健康に被害が起きた場合は、事業者は損害を賠償しなくてはならない(無過失責任)。知事や政令市の長は、水質汚濁を防止するために計画変更命令などをする権限があり、これらの命令に違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されるといった罰則もある。近年の改正では、2001年7月1日から同法施行令の一部を改正する政令が施行され、有害物質として新たに「ホウ素及びその化合物」「フッ素及びその化合物」「アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物」が加わった。また、2006年12月には、水生生物保全の観点から全亜鉛の一律排水基準値が5mg/lから2mg/lに強化され、暫定排水基準も設定された。環境省は、毎年、水質汚濁防止法などの水関係法令の施行状況をまとめ、公表している。2006年度の施行状況を見ると、排水規制の対象となる特定事業場(特定施設を設置している事業場など)の数は約28万9000件で、そのうち、最も多い業種は旅館業(約7万)と、全特定事業場の約24%を占める。また、特定事業場に対して行われた立入検査は約4万7000件、行政指導は約7700件あった。さらに、改善命令は37件、一時停止命令は1件、排水基準違反は12件あった。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。