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「科学的自然減衰」 とは

読み:
かがくてきしぜんげんすい

 自然減衰とは、汚濁物質などが、土壌吸着や気相への揮発、微生物分解などによる自然の浄化作用により分解され、濃度が低減していく現象のこと。土壌などの環境中に含まれる汚染物質は、化学的・物理的処理により短時間で一定レベルまで低減できるが、それ以上は対策を強化しても低減速度が遅くなることがある。しかし、遅いながらも自然に減少していく現象が見られる。科学的自然減衰(MNA:Monitored Natural Attenuation)は、自然減衰を科学的に評価・確認したうえで、その低減を自然減衰に委ねるという考え方であり、化学的・物理的処理と組み合わせることで、より低コストで浄化することが可能になると期待されている。とくに汚染土壌の浄化分野で関心が高まっている。アメリカなど海外においては、浄化作業の手法として普及している。MNAは自然の作用に任せる方法であるため、他の浄化手法と組み合わせて実施可能であること、大規模な設備を必要としないこと、従来の浄化手法と比べると低コストで実施できることなどの利点がある。一方、時間がかかる、モニタリングコストがかかる、有害な副生成物の発生の可能性がある、土地や地下水の利用制限が必要な場合がある、汚染地域の地下水の流れや地質構造、生息する微生物種を含む地下環境状態に左右されやすいといった制約もある。

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