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終盤、驚愕の事実が明るみに…!“知りたくなかった”事実に二度読み必至!!「時間を止める力」を使い少年が行っていたのは…?

  • 2022年6月30日
  • Walkerplus

家がゲーム禁止で、その代わりに買ってもらっていた漫画雑誌を読むうちに小学生のころから自分でも漫画を描くようになったという城岳研志(@j_g_kenshi)さん。月刊少年マガジンで佳作を数回受賞したことがあり、現在はSNSでも作品を公開している。


世界から武器をなくすため、時間を止めて紛争地域を旅する2人の男子高校生を描く『天秤を持った少年』。戦争というテーマを取り上げるきっかけや、「時間を戻せる力」ではなく、「時間を止める力」にした理由は何なのか…。作品に込められた思いを、作者の城岳研志さんに伺った。

――『天秤を持った少年』は時間を止めることができる少年が、時間を止めている間に戦地で武器を破壊していくという話ですね。この話の構想を思いついたきっかけを教えてください。

元々「戦争」というものに興味があった…というと語弊がありますが、描いてみたいという気持ちはありました。当時の世界情勢や、日本で特に何もせずにいた自分に憤りを感じていたのが描き始めた理由です。独りよがりですが、現地で悲しみの中にいる人々を描くことが、今の自分ができる唯一の関わり方だと思ったんです。

ただ、そのまま描くと漫画として成立しないので、主人公の一人である早坂に“時間停止能力”というSF要素を設定しました。“時間を止めている間に戦地で武器を壊していく”なんて荒唐無稽な話ですし、根本的な解決にはなりません。高校生ができる範囲を考え、結果的に「武器を破壊する旅」になりました。

――「なんで時間を戻せる力じゃなかったんだろう…時間を止められたって間に合わなかったら誰も救えないのに…」というセリフに胸を打たれました。「時間を戻せる力」ではなく、「時間を止める力」にしたのには意味があるのでしょうか?

「時間を戻せる力」だといくらでもやり直しがきくので、いわゆるチート過ぎると思ったんです。それにこの漫画には、本・新聞・雑誌・ニュースなどで調べたうえで、実際に戦地で起こっている出来事を取り入れています。だから、そこで泣いている人がいるのに「起きていたはずの戦争を止められてハッピー!」という話にはしたくなかった、というのもあります。

――作中に「世界の涙の総量は不変だ」という言葉が登場しますが、これはサミュエル・ベケット氏の『ゴドーを待ちながら』にも出てくる言葉ですね。『ゴドーを〜』では「誰か一人が泣きだすたびに、どこかで誰かが泣きやんでいる」と続きますが、『天秤を持った少年』では「総量は変わらなくても同じ人達ばかりが泣いている気がする」と続き、「涙のバランスを等しくしたい」と願っています。この思いが作品タイトルとなっているのでしょうか?

気づいてくださった方は初めてです!そこまで考察して頂いて、本当にありがとうございます!!はい、正しくそうです。『ゴドーを待ちながら』のその言葉が自分の中でとても印象的で。ふと気がかりになり、その疑問を主人公の早坂に投影しました。

――最後に、今後はどのくらいのペースで作品を描かれますか?または、今後の新作についてのご予定を教えてください。

基本的に水面下での活動が多いため、具体的なペースは申し上げられないのですが……。現時点では、株式会社MUGENUPさんのコミックレーベル『ムゲンコミックス』にて、恋愛モノでヒューマンドラマ要素の入った漫画を連載させて頂く予定です。ただ、発表はまだだいぶ先になると思いますので、タイトルなどは時期が近づいてからSNSでお知らせさせて頂きます。

「天秤を持った少年」は終盤で衝撃の真実が明かされる!「時間を止める力」を持つ少年が、戦地で“世界を変えるため”に行っていたのは、武器を破壊することだけじゃなかった。時間を止めている間に武器を壊し、そして敵対する軍の兵士までも…。その選択に追い込まれた理由や背景などを、じっくりと考えながら読み進めてみよう。

取材協力:城岳研志(@j_g_kenshi)

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