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ファンキーな祖母との思い出を漫画に。好きなものを楽しむのに年齢は関係ない!

  • 2021年11月15日
  • Walkerplus

「可愛かったから」と孫が持っているギャル系ブランドの服を着たり、「丈がダさいわ...」と高校の制服のスカートの丈を短くしたり。漫画家の朝日夜(@asahi_yoru9)さんが、年齢を重ねても自分の好きなファッションを楽しむ自身の祖母を描いた漫画「祖母のおはなし」が話題だ。Twitterでは6.5万件以上のいいねが寄せられるなど、大きな反響を呼んでいる。

いくつになってもおしゃれを楽しみたい。そんな思いはあっても、いつの間にか「年相応」な服装に縛られてしまっている人は多いのではないだろうか。自身もそんな経験がある朝日さんに、漫画を描いたきっかけや、作品の反響を受けて感じたことなどを聞いてみた。

■真っ赤な上下のスーツや黄色のパンプス。孫と服を交換するおばあちゃん
「朝日の祖母はファンキーである」という言葉で始まる「祖母のおはなし」。その言葉通り、80代になった今も「真っ赤な上下のセットアップのスーツを着たり、原色の黄色のパンプスを履いたりしています。白のロングヘアなので遠くから見てもすぐ分かりますし、今でも私と服を交換しています」と朝日さん。ハキハキしていて前向きな性格のおばあちゃんなのだそう。

朝日さんの祖母のおしゃれの基準は「気持ちがアガるかどうか」。その影響を受け朝日さんも、ファッションだけでなく迷ったときはその基準で選ぶようになったという。どんなときに意識していたのだろうか。

「身近なことだと、好きな色やテイストが男性っぽかったりするのですが、気持ちがアガるのでそちらを選びます。仕事も同様で、数字だけにとらわれない心が動く仕事を選ぶことや、一緒にいて気持ちが下がらない人付き合いなどで意識しています」

■大人になるほど難しい、好きなものを好きと言い続けること
漫画で描かれているのは、70代だったころの祖母と朝日さんの話。今回その体験を漫画にしようと思ったきっかけを聞いてみた。

「漫画を描く数日前に、『着たい服を着たら人生が始まったような気がした』というような文章を見ました。そこから実体験を思い出し、描いてみようと決めました」

朝日さんも20代になり、「年相応な格好をしなくては」と自分を抑えてしまった経験が。地味な服装になっていたとき、祖母からかけられたのは「好きなもの着なさいよ」という言葉。朝日さんは「今まで当たり前におばあちゃんの存在がありましたが、大人になればなるほど、自分の好きなものを好きと言い続けられることってすごいなと思います。今回の漫画のようにふと自分が揺らぐとき、改めておばあちゃんを尊敬します」と話す。

■年齢や人の目を気にしてしまう人に、漫画が小さなきっかけになれば
漫画には「素敵なおばあちゃん」という感想に加え、「心が洗われました」や「好きな格好をしようと思いました」といった声も寄せられている。そんな反響に対して朝日さんは「私に似た人がたくさんいるんだなと思いました。それは悲しくもありますが、漫画がその人たちの小さなきっかけになれば嬉しいです」と話す。知らず知らずのうちに自分の「好き」を抑え込んでいたことに、漫画を通して気付かされた人は多いのかもしれない。

最後に、年齢や人の目を気にして自分に制限をかけてしまう人へメッセージを貰った。

「よく『人生は一度きりです!』と言われますが、私はいまいちピンときません。でも、もうすぐ死ぬかもしれないという状況になったとき、きっと周りの目を気にせず好き勝手に生きるはずなのに、なぜそれが今できないのかと何年も思ってきました。私もまだまだ割り切れない未熟な人間ですが、来週命が燃え尽きるつもりで生きてみると、世界は変わらないかもしれませんが、自分は変わるはずです。お互いこの世に未練を残さないように生きていきましょう」

ファッションに限らず、年齢にとらわれて自分の気持ちを抑えたり、周りと比べて心が揺らいだりすることはきっと誰にでもあるはず。そんなときは朝日さんの漫画を思い出して、素直な自分の気持ちと向き合ってみるといいかもしれない。

取材・文=松原明子

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