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セクシーで可愛い、女の子のイラストが話題!「露出度とエロさを反比例」させた絵に引き込まれる

  • 2021年6月18日
  • Walkerplus

女性らしい強さや色気、可愛さを表現するイラストレーター・NAKAKI PANTZさん。どこかレトロだけど、ヴィヴィッドかつポップなタッチで描かれた、個性的な女の子たちがSNSを中心に注目を集めている。本格デビューから2年経たずして、アーティストのジャケット制作や、「うっせぇわ」で話題のシンガー・AdoとのコラボTシャツのデザインを手がけるなど活躍の幅を広げている。

今回のインタビューでは絵を描く原体験まで振り返りながら、漫画家を目指していた過去についてや、多くの人を惹きつける魅力的な女の子を描く上でのこだわりを語ってくれた。

■小学生の頃にハマった、ネットのお絵かき掲示板が原体験
――いつ頃からイラスト制作をされているのですか?

「10年ほど前から、趣味でSNSにイラストを公開し続けていて、2019年に地元福岡のギャラリー兼カフェバー『トレソル』で初めて個展をさせていただいた日から、現在の“NAKAKI PANTZ”名義で活動を本格的にスタートしました。それまでは、似顔絵や二次創作、おしゃれな絵など、やりたいことが多くて器用貧乏になっていたところがあったのですが、個展を通してSNSのフォロワーさん以外の方にも見ていただくことを初めて意識してオリジナルの女の子を描いたり、今のスタイルの核となる絵を描くようになりました。ちなみに、今の名義の由来は、漫画を描いていた時期のペンネームの“NAKAKI”と、“〇〇ぱん”というプライベートのあだ名をもじって、覚えていただきやすいように“NAKAKI PANTZ”にしました!」

――絵を描くこと自体は、ずっと好きだったのですか?

「小さい頃から好きでした。今の活動の原体験になっていると思うのは、小学生の頃にどハマりしていたインターネットのお絵かき掲示板です。家族の共有のパソコンを使って、姉が遊びながら描いてるのを見て、私もやってみたら世界が一気に広がったんですよね」

――描いた絵をアップして、交流できる掲示板ですね。

「そうです! 自分の絵を誰かに見てもらって、反応をもらえる楽しさと、いろんな人が描いている新しい絵を知れることが当時の私にはとにかく刺激的で。親に禁止されるぐらい、張り付いて絵を描いてましたね。中学生になると携帯を買ってもらって、今度はSNSの『モバゲー』にハマってコミュニティで交流したりしていたので、早い段階から誰かに絵を見てもらうことを意識するようになっていたと思います」

――当時から、今のように絵にまつわる仕事をすでに夢見ていたのでしょうか?

「ずっと少女漫画が好きで、小学生の頃には『漫画家になりたい!』と友達にも話してました。自分のことを天才漫画家だと思っていましたから(笑)。『ちゃお』で連載していた、とにかく魅力的な縦ロール(髪型)を描かれる、おおばやしみゆき先生の漫画を模写したりしてましたね。漫画を描くための一式を買ってもらってからは、つけペンで描いたり技術や知識を独学で得ながら、その時にはもう『私には絵しかないな』と思うように」

――小学生の頃にはすでに!他にも、現在の活動に影響を受けている作家さんはいらっしゃいますか?

「おおばやし先生だけでなく、槙ようこ先生の漫画も大好きです。それから今の絵柄を確立したり、自分のやりたいことに影響を受けたのは、入江亜季先生と安野モヨコ先生ですね。入江先生の作品を見て『私もこんな絵が描きたい』と思ったり、エッセイなども書かれている安野モヨコ先生みたいに、『私もなりてぇなぁ』って思います。私にとって特に、とんでもねぇ存在です!」

■「絵を描くことしかできなくて、それ以外は何もかも苦手」
――漫画家を志望されていたということですが、専門学校はイラスト学科だったとか。

「中高生の頃に、デジタルで絵を描くようになると次第に自分の絵は漫画よりイラストレーター向きかなと思うようになりました。それで、専門学校はイラスト学科に進学することに。ただ、その学校の課題で31ページの漫画を描いて出版社に持ち込む機会があってですね。『おもしろいので、賞に間に合うし出してみましょう』と言っていただけて、小さな賞をいただけました。そこから再び、漫画家になれるのではないかと思うようになりました」

――イラストが向いていると思って進学したものの、漫画家になれる可能性が先にやってきたと。

「それからは、担当さんにもついていただきデビューに向けて漫画を描く日々が続きましたね。だけど、全くやる気がでなくて…。それまでは、ただただ好きなものを描いてきた自分にとって、漫画家として連載デビューするために描くことができなかったんです。そこで、漫画家ってすごいな。自分にはできないなと諦めたんです。独学で知識や技術がそれなりにあったとはいえ、映像で例えると漫画家になるには監督もカメラマンも脚本も、照明も全部ひとりでやらないといけないんですよね。私にはその才能はないなと。卒業後は、絵とは関係のない会社に就職したもののやはり絵と近いところで働きたくって小さなデザイン事務所に就職しました。そして、今はフリーランスとして活動しています」

――イラスト学科に進学する選択も、漫画家を諦める道も、人生において大きな出来事でかなり難しい決断だと思うのですが、すごく俯瞰的に自身を捉えてらっしゃるのがすごいですね。なかなか普通はできないことだなと。

「めちゃくちゃ悩んでも人に相談しても、答えって自分の中にあると思うんですね。もう、それだったら早く決めた方が絶対にいい。悩んでしまうのは結局、きっかけと勇気がないだけだと思うので。だから私は『やらんよりやったほうがいい』、『どうせ死なんし、やってみよう』という考え方で、いつもやりたいことや好きなことを大事にしてきた結果かもしれません」

――漫画を描いてきたことが、今のイラストに生きている部分もありますか?

「漫画家を目指していた技術が、生きているところはあります。例えば、黒と白でしっかりとメリハリをつけることを意識していたり、スクリーントーンを入れてみたりしている点です。逆に、着色が苦手だったりしますね。褒めていただけることもあるのですが、デジタルに合った塗りが難しくって…。今は苦手を伸ばすよりも得意な部分を極めようかなと、線や全体のメリハリ、色が喧嘩しないように配色のバランスにこだわるようにしています」

――これまで描き続けてこれた活力の源は、やはり描くことが好きだから?

「もちろん好きで楽しいからというのもありますが、絵を描くモチベーションは100%、見てくださる方がいることです。そこは、掲示板に絵をアップしていた小学校の頃から変わらないかもしれないですね。ただ絵を描くことしかできなくて、それ以外のことは何もかも苦手で生きるのが大変だなと思う毎日なので、だからこそ絵だけは期待を裏切らないようにしたい想いで描いています。見てくださる方がいるだけで頑張れるし、私がただただ好きなものを詰め込んだ絵を好きといってくれたときは、喜びや達成感でいっぱいになるんです。ひとりじゃなんにもできない、私だけが描いていても意味がない。なので、絵を見てくださる方、それから描くことに集中できる環境を与えてくれてサポートしてくれる周りのみんなにはいつも感謝しています」

■理想の女の子を描いている時が、一番ワクワクする
――NAKAKIさんのイラストで印象的なのは、なんといっても個性的な女の子たちかと思います。女の子たちを中心に描かれているのはどうしてでしょうか?

「私が女だからというのもありますが、圧倒的に女の子を描いている方がワクワクするんですよね。自分が着てみたいけど似合わんだろうなって服や、やってみたいけどできない髪型だったり、『こういう女の子になりてえなぁ』という自分の理想をイラストでアウトプットするイメージで描いています。その時に好きなスタイリングを投影しているので、絵を見比べたら『NAKAKIは今、こういう服や髪型が好きなんだろうな』とすぐに分かると思います。男の子の絵を見てもらうと、私のタイプがすぐに分かるぐらい(笑)。それと、ギャルがめちゃくちゃ好きなので、親近感がありつつ、ストリートで少しキツそうな顔をした子を描くことが多いですね」

――描く上で、特に意識している点は?

「こだわっているのは、肌の露出度とエロさや色気を反比例させることです。肌を見せていても、目や表情、仕草で女性らしさを表現したい。逆に肌を見せていなくても、エロさや、色気を醸し出せたらと思っているので、そこを褒められるとすごくうれしいですね。エロを感じてほしいわけじゃなくて、同じ女性から『あー、分かる。憧れる!』とか『色っぽい』って共感を得られたらうれしい。あとは、情報過多になりすぎないように、服や表情、ボディラインなど絵の中で見て欲しいポイントを自分の中で明確にして描くことを大事にしています」

――理想のファッションやヘアスタイルを絵に反映するということでしたが、逆に描くことで現実でのファッションなどに影響や変化もあったりするのでしょうか?

「絵は自由に冒険できるんですが、現実世界ではぜんぜんできなくて…。何年も髪型を変えてこなかったりするタイプだったりします。だけど最近は、視野を広げてもいいかなと思うようになってきましたね。というのも、“NAKAKI PANTZ”として活動するからには、自分自身も人に見られることを意識しなあかんなって。『絵描きって、やっぱりおとなしい感じなんだ』みたいなイメージから逸脱したいのと、絵から知ってくれた人に『思ってたより可愛いじゃん』って言われたいところもあります(笑)。気を使ってないより気を使った方がいいですからね、絶対。そういう意味では、現実でも服装や髪型にも挑戦するようになったところはあるかもしれません」

――ファッションに関連して、先日6月12日にはストリートブランド「9090」から、NAKAKIさんの描き下ろしイラストがデザインされた、シンガー・AdoさんとのコラボTシャツがリリースされましたね。

「Adoさんの曲は、人知れず聴いていたのでコラボできると知った時は内心、ぶちあがりました!デザインのイラストは、『うっせぇわ』の歌詞にある“言葉の銃口をその頭に突きつけて撃てば”をイメージしたものです。Tシャツを通して、たくさんの人に絵を見ていただけることがなによりワクワクしますね」

――最後に、今後の目標についてお聞かせください。

「関東や関西で個展を開きたいです!7月21日(水)からは、東京での初個展『BABY BABY』(会場:Anicoremix Gallery)が決まっているので、たくさんの人に見てほしい。また、公式サイトでは月額サポートで直接支援いただける仕組みを作っているので、限定の新作をアップしたりグッズの販売も充実させたいなと思います。それから、ファッション誌のお仕事やエッセイも書いてみたいし、勉強中のアニメーションなど、まだやったことないことや興味があるものにはどんどんチャレンジしていきたいなと思います。何より、私が好きなものを描き続けて、見た人にも『好き!』って思ってもらえるように頑張りたいです!」

取材・文=大西健斗

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