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初摘みの茶葉から作られた“新抹茶”がスターバックス ティー&カフェに登場!

  • 2024年5月16日
  • Walkerplus

スターバックスが運営する、ティーに特化した店舗「スターバックス ティー&カフェ」(以下、ティー&カフェ)の全国14店舗で、2024年5月13日から抹茶のドリンクで使用している抹茶がすべて新抹茶に変わった。

抹茶は通常、摘採した一番茶を秋まで保管・熟成するが、今回登場する新抹茶は、初摘みした茶葉をすぐに抹茶に加工したもので、このシーズンしか楽しめないものだという。茶葉がどう育まれ、新抹茶になるのか、鹿児島県南九州市にある茶農園を訪ねた。

■旬の味わいを楽しむ“新抹茶”
鹿児島県の茶葉(荒茶)の生産量は、静岡県に次ぐ日本第2位で、なかでも最も多くの生産量を誇る南九州市産の緑茶は「知覧茶」として有名だ。温暖な気候から、4月上旬に初摘みがスタートし、“走りの新茶”ともいわれる。

抹茶の原料である茶葉は、通常、摘採後に碾茶(てんちゃ・抹茶の原料のこと)に加工したら保管・熟成し、石臼で挽かれて抹茶になります。熟成することでまろやかな味わいに仕立てられますが、最近では、初摘みした茶葉をすぐに抹茶に加工して楽しむことができます。
「ティー & カフェでは、ファンのお客様が多い抹茶の新たな楽しみ方の提案として、いつもの抹茶とはまたひと味違う“旬の抹茶”を楽しんでいただきたいという想いから初めて提供することになりました」と、商品開発を担当する商品本部ビバレッジ部の矢野元気さんは言う。

「新抹茶は、一番茶の力強い風味を楽しんでいただけます。茶人の正月とも言われる“秋の口切の茶事”など、昔ながらの風習もありますが、現在は新鮮なまま輸送する技術があるので、新米、新蕎麦などのように、抹茶でも新茶を楽しんで季節を感じていただきたいと思っています」

■温暖な気候とシラス台地が育む南九州の茶葉
新抹茶の原料となる茶葉の栽培から、荒茶碾茶(最終加工前の茶葉)への加工までを手掛けるのが、南九州市頴娃町にある小磯製茶だ。自社農園で育てた茶葉を、自社工場で加工販売している。訪ねたのは、4月上旬。青空の下、開聞岳を望む広大な茶畑一面に青々しい茶葉が芽吹き、一番茶の茶摘みが始まっていた。茶農家にとって、一年でいちばんの大仕事だ。

「この火山灰土壌が茶の栽培に合っているんです」とは、小磯製茶の3代目で代表の小磯雅一さん。火山灰を含むシラス台地の土壌は水捌けがよく、また温暖な気候から茶の大敵である霜害のリスクも低いなど、この辺りは茶の栽培に適している。

「微生物が育つよう、程よく水分も保てないといけません。土壌の成分を分析し、たい肥を与えるなど改良を続けています」と、これまでの煎茶などの生産に加え、8年ほど前から抹茶用の茶葉の生産に取り組んでいる。「この茶畑の風景を残したい」と、近隣の生産者とも協力し合った地域貢献も評価され、内閣総理大臣賞も受賞している。特に大切にしているのは、茶の木が持つ力を信じること。
「植物は意外と強くて、どこかが悪くなってもいい状態に戻る力があります。かわいいけれど手を加えすぎず、その力を信じて、基本は自然に任せたいと思っています」

碾茶用の茶葉の栽培では被覆栽培といって、新芽が出ると茶の木を黒いシートで覆い、10~14日間ほど日光を遮断する。抹茶の美しい緑色は、この被覆栽培が理由だ。
「シートを2枚被せて85%くらい日光を遮ります。そうすると、茶葉は少ない光の中で光合成しようとするので葉緑素が増し、緑が濃くなります。さらに旨味成分のアミノ酸値も上がります」

その黒いカバーを、従業員の皆さんが長い棒に巻き付けながらはずしていくと、下から深い緑色をした茶葉が顔を出した。柔らかな、新芽の一番茶だ。
「霜害にならないように、新芽を寒さに当てないことが大切です。収穫時期は被覆効果を高めるために天気のいい日が続いた方がいいんです。雨天が続くと被覆の期間を延ばしますが、伸ばしすぎると葉が固くなってしまいます。その見極めが大事です」

そしてすぐに摘採するが、ここで登場するのが、自動で茶摘みをする乗用型摘採機だ。茶畑の畝と畝の間をゆっくりと進みながら丁寧に茶葉が刈り取られていく。これは鹿児島県で開発された茶摘みの機械で、平地での栽培が多い鹿児島県では30年ほど前から広く普及し、茶の生産を支えているという。

「一番茶の今の時期のために、農家は一年をかけて育てています。頴娃町は、お茶産業と地域がひとつになっているので、地域の事を考えながら生産することを大切にしています」と、子どものころから当たり前にあるこの豊かな茶畑を愛情深く見守り、手を入れ、育てている。

■今年の味わいを楽しむ、それが新抹茶
摘採した茶葉は、碾茶の荒茶加工のため工場へ運ばれる。茶葉を100~120℃の蒸気で20~30秒という短時間で蒸した後、碾茶炉でゆっくりと乾燥させたものが荒茶だ。荒茶は茶問屋に運ばれ、碾茶の仕立茶、そして抹茶へと加工される。

ポイントは乾燥にある。小磯製茶の碾茶炉は煉瓦式だ。煉瓦で出来た炉の中は90~100℃に保たれている。
「火や熱風を当てるのではなく、煉瓦の輻射熱で乾燥させることで、香りがふくよかになるんです」と小磯さん。

炉の中は温度帯が異なる4段に分かれ、茶葉をベルトコンベアーで移動させながら、約20分かけてじっくりと乾燥させていく。

炉から出てくる茶葉は、熱気と共に青々とした香りをまとう。手に取って香りを確認し「うん、いいんじゃないかな」と小磯さん。ここで、今年の一番茶の出来がわかるのだ。
「お茶は自然に育まれるものだから、毎年、出来が異なります。それをどのタイミングで摘採し、どう加工するのか、“その年にできる最高のものを作る”という気持ちで取り組んでいます」とその信念を語る。

特に新茶は、気候などの影響が風味に表れるという。それが、「新茶を楽しむ面白さだ」と小磯さんは言う。今年はどんな味だろう?そんなふうに、毎年その時だけの味わいを楽しめるのが新茶の醍醐味なのだ。
「抹茶だけでなく、新茶は渋みや苦みも含めてダイレクトにお茶本来の味が楽しめるものです。ミルクなどと混ぜてもお茶の風味がしっかり残る力強さがあると思います」

ティー&カフェで新抹茶が楽しめるのは、定番ドリンクの「和三蜜 抹茶 ティー ラテ」「和三蜜 抹茶 フラペチーノ(R)」に加え、4月に登場した初夏限定の「抹茶&クラッシュ ピスタチオミルクティー ラテ」の3種類。一年の自然の恵みを感じながら、旬を味わいたい。
※抹茶のドリンクを新抹茶で楽しめるのは、2024年6月11日(火)まで。無くなり次第に終了になる可能性があります。

■商品情報
・「抹茶&クラッシュ ピスタチオミルクティーラテ」(持ち帰り687円、店内利用700円)
・「和三蜜 抹茶 ティーラテ」(持ち帰り668円、店内利用680円)
・「和三蜜 抹茶 フラペチーノ®」(持ち帰り756円、店内利用770円)

■スターバックス ティー & カフェ 店舗一覧
https://store.starbucks.co.jp/?tea_cafe=1

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