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そうめんになすやサバをのせる!? 夏にピッタリ、そうめんの郷土料理

  • 2023年8月4日
  • tenki.jp

暑い時期でもツルツルっと食べやすいそうめんは、夏の定番メニュー。薬味に大葉やミョウガ、ゴマや梅干しなどを使い、それぞれの家庭でそれぞれの味がありますね。
このそうめんにも、地域によって味が違うご当地そうめんがあるのをご存じですか。今回は、各地でつくられている伝統的なご当地そうめんをご紹介します。ぜひ参考にして、いつものそうめんを“味変”してみてはいかがですか。

参考
にんべん:そうめんの地域別の食べ方まとめ! 飽きずに美味しく食べる工夫も公開

〈石川〉なすそうめん/〈香川〉なすそうめん/煮込んだなすとともに

石川県の金沢市で昔から食べられている「なすそうめん」は、なすとそうめんを煮込んだ郷土料理です。なすもそうめんも柔らかく煮込まれているので、麺類というよりも煮物といったほうがいいかもしれません。お盆で食べられることが多かった一品ですが、今では一年を通してなすが手に入るので、夏以外でも食卓に上がったり飲食店のメニューとなっていることもあります。
富山県の砺波には「大門素麺」というそうめんがあり、古くからなすとそうめんを一緒に食べる習慣がありますが、これは江戸時代の後期に能登地方から、富山の薬売りの行商を通じて伝承された料理だといわれています。

一方、そうめんの特産地である香川県小豆島のそうめんと、夏が旬のなすを用いて、唐辛子で味を際立たせた「なすそうめん」も、香川で昔から食べられている家庭料理です。暑い時期、主食にもおかずにも最適ななすそうめんは、特に難しいコツもなく簡単につくれるので、広く一般家庭に浸透しています。香川のなすそうめんは、あらかじめなすを油で炒めて油揚げを加え、いりこを使った出汁と砂糖・しょう油で味をととのえ、唐辛子を加えるのが特徴です。香川県の三豊地区で栽培されている、皮が薄くて実がやわらかい三豊なすを使うと、出汁がしみこみやすく、さらにおいしいなすそうめんができるといわれています。
旬のなすを使ったなすそうめん。暑い時期こそ、ぜひ食べてみたいですね。

参考
農林水産省:なすそうめん 香川県
JAグループ:富山県「そうめん茄子」JAとなみ野
農林水産省:なすそうめん 石川県


〈鹿児島〉油ゾーメン/奄美の郷土料理。行事やお祝いごとで出される

「油ゾーメン」は、鹿児島県の奄美大島など、奄美諸島に伝わる郷土料理です。豚肉と、ニラやニンジンなどの野菜、そしてそうめんを炒めた料理で、沖縄の「そうめんチャンプルー」に似ていますが、油ゾーメンは炒める時に、いりこなどのだし汁を入れるのが特徴です。油とだし汁が麺にからむので、のど越しがよく、暑い夏こそ食べたくなる料理で、しょう油などの調味料やだし汁の分量が各家庭や飲食店で違っているので、地域ごとの味を食べ比べてみるのもおもしろいかもしれません。
昔は農作業の間食として食べられていたといわれていますが、今では、8月に行われる「八月踊り」という行事や、お祝いごと、田植えや稲刈りなど、人が集まる時にふるまわれ、大皿に油ゾーメンを盛りつけて、みんなで取り分けながら食べられています。
暑い時にのど越しのいい油ゾーメン。豚肉も入っているので、元気が出そうな料理ですね。

参考
農林水産省:油ゾーメン 鹿児島県

写真の出典
農林水産省Webサイト

〈滋賀〉鯖そうめん/焼いたサバを甘辛く煮込んで、めんにからめる

滋賀県長浜市の湖北地域では、焼いたサバを煮込んでそうめんにからめる「鯖そうめん」が、昔から食べられています。なぜ海岸沿いでない地域なのにサバ?と思われるかもしれませんが、昔、若狭湾でとれたサバなどの魚介を京都へ運ぶための街道が“鯖街道”とよばれていて、湖北地域はその途中にあったのでサバが手に入りやすかったため、内陸でもサバが普及したのです。田植えの時期になると、農家に嫁いだ娘へ親が焼きサバを贈る「五月見舞い」という風習があり、贈られた焼きサバは近所や親戚に配って、農繁期などに重宝されてきました。このように、湖北地域では焼いたサバは昔から馴染み深い一品なのです。
「鯖そうめん」は、焼いたサバを甘辛いしょうゆ味ベースのだし汁で煮込み、その煮汁でそうめんを味つけして食べる郷土料理で、味が濃いめなので、主食というよりは、ご飯のおかず、といった位置づけです。今でも一般家庭でよくつくられていて、スーパーのお惣菜として販売されていたり、地元の飲食店でも提供されていて、長浜市のソウルフードとして親しまれています。

参考
農林水産省:鯖そうめん 滋賀県

〈愛知〉酢味噌そうめん/甘酸っぱい味噌ダレで食べる夏のそうめん

味が濃厚で色が黒っぽい八丁味噌は、愛知県の料理に欠かせない調味料で、八丁味噌を使ったうどんやおでん、味噌カツなどは全国に知られています。この味噌で酢味噌をつくり、そうめんの上にのせて食べるのが「酢味噌そうめん」。コクのある味噌を使った甘酸っぱい味噌ダレをかけた酢味噌そうめんは、ツルツルっと食べることができるので、猛暑で食欲がない時に欠かせない愛知県の定番料理です。
つくり方はいたってシンプルで、八丁味噌、酢、砂糖などで酢味噌をつくり、ゆでたそうめんにかけて食べるだけ。お好みでキュウリ、ミョウガ、大葉、ゴマなどをトッピングすると、味も彩りも華やかになります。

参考
農林水産省:酢味噌そうめん 愛知県

写真の出典
農林水産省Webサイトhttps://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sumisosomen_aichi.html

そうめんは味がたんぱくなので、いつもの薬味だけではなく、のせるもの、添えるものによって、いろいろな料理に変身します。暑い夏、いろいろな食材をアレンジして、自分だけのそうめん料理にチャレンジしてみても、おもしろいかもしれませんね。

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