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上手な土の耕し方|「根菜類」について(家庭菜園の基礎)

  • 2022年1月15日
  • NUKUMORE

じゃがいも、大根、にんじん、さつまいもなどの根菜類について、収穫を重視した耕起のテクニックを解説します!農業では、田畑に苗を植えたり種を蒔いたりする前に、耕うん機やトラクターなどを使って、土を掘り返したり攪拌し、土壌を作ります。

ジャガイモ|栽培全般で耕起が必要になる!

bm1574_p28_flow_12_1641608026 ジャガイモは植えつけ、土寄せ、収穫と栽培の各所で耕起が必要になる野菜です。マルチ栽培をする場合も畝を立て直すために耕します。

ジャガイモは耕すだけで良質なイモが採れるようになります。野菜づくりを続けている畑は肥沃になっているので、耕すことで効き出してくる地力窒素でジャガイモは十分に育つからです。

とくに春作は地温が上がるまでに時間がかかるので、植えつけ前に耕して地力窒素を高めておく必要があります。根が張れるように、植える場所は18cm前後の深さまでよく耕して3層構造にしておきます。

堆肥と有機質肥料の投入は障害が出やすくなるので控えてください。イモの周りに有機物があると、病原菌や害虫の攻撃を受けやすくなります。 bm1574_p28_main_2_1641608247 有機物が少ない低栄養の土壌では元気に育ち、肌がきれいで味がよく、日持ちするイモが採れます。 bm1574_p28_flow_1_1641608059

サトイモ| サトイモの耕起がいらないリレー栽培がある!

bm1574_p28_flow_16_1641608116 サトイモは発芽するのに温度が必要です。4月下旬~5月上旬の連休頃は地温が低いので、植えつけ前に耕起して微生物の活動を促します。

植え溝を掘るところを、20cmの深さまでよく耕しておきます。
多肥だとイモが肥大しません。野菜づくりを続けている畑なら耕すだけにします。土づくりをする場合は、堆肥だけを使って控えめに施します。低栄養の土壌では、子イモ、孫イモがたくさんつきます。

植えつけや土寄せで耕起が必要なサトイモですが、ジャガイモとのリレー栽培なら耕さないで済みます。
まずは3月上旬頃に耕して溝を掘り、ジャガイモを植えつけます。発芽して葉が伸びてきたら土寄せをします。サトイモの植えつけはこのタイミングです。土寄せをするとジャガイモの隣に溝ができるので、その溝を利用します。

6月になってジャガイモを収穫すると、掘り上げた土がサトイモの株元にかぶさります。サトイモの溝掘りも土寄せもあえてする必要がなくなります。
労力が減らせる一石二鳥のリレープランです。 bm1574_p28_flow_15_1641608172 リレー栽培をしない場合は、溝底植えがおすすめです。深さ20cmの溝を鍬で掘り、溝底に種イモを並べます。
植えたときは覆土せず、芽が伸びるたびに少しずつ土を落として埋めていきます。

5月上旬は地温が低く、しっかり覆土をして深く埋めると発芽が遅れますが、溝底植えなら地温が上がり、初期生育がよくなります。最終的に深植えした状態になりイモが肥大します。 bm1574_p28_flow_2_1641608229

サツマイモ|しっかり耕すと形のいいイモが採れる!

bm1574_p28_flow_18_1641608316 サツマイモは土がかたいとイモが丸い形になります。長細い形のイモを採りたい場合はよく耕して土をやわらかくしておくといいでしょう。

肥料分のない土壌の方がイモの肥大がよくなります。堆肥や肥料ではなく、赤玉土(1~2kg/m2)をまいてから15~20cmの深さまで耕して高めの畝をつくると、いいイモが採れます。

イモの収穫適期は定植から110日頃です。10月中旬~11月上旬に採れるイモは味がいいので、6月中旬~7月上旬の定植をおすすめします。
この時期は気温が高くて草も旺盛に生えてきます。生育初期に草が茂っていると光が十分に当たらなくなり、生育が極端に悪くなります。定植前に耕して草が生えるのを遅らせるほか、途中で中耕して除草します。わき芽が伸びて繁ってきたら、草の中でも育ちます。

ツルを伸ばす場所は不耕起にして草を生やします。裸地だと不定根が根付くからです。不定根が根付いたところにもイモができるので、肝心な株元のイモの太りが悪くなります。 bm1574_p28_flow_17_1641608374

ゴボウ、ニンジン、ダイコン|長くてまっすぐな根を収穫するために耕す!

ゴボウとニンジンは不耕起栽培の方がよく育って、香りのいいものを採ることができます。ただし、不耕起栽培では収穫時に大変な労力が必要です。
ニンジンを引き抜くにも力がいり、良質なゴボウができても掘り出す際に折れてしまっては困ります。

ニンジンは3層構造をつくる耕し方で問題ありません。耕して畝を整えた方が、スジまきがしやすくなります。 bm1574_p28_flow_13_1641608446 ゴボウはタネをまく場所を、ショベルを使って深さ70cmの溝を掘ります。深さ20cmの位置まで土を戻して(50cm分の土を戻す)、降雨後の陥没を防ぐために足で踏み固めます。
残りの土をすべて戻し、平らにならすか、高さ5~10cmの畝を立てます。深い位置まで根がまっすぐ伸び、味のいいゴボウが採れます。一度掘っているので、不耕起栽培よりも収穫しやすくなります。 bm1574_p28_flow_10_1641608493 甘いダイコンが欲しいときは、20cmの深さまで耕し、高めの畝をつくります。ダイコンは素直に伸びると甘くなるからです。かたい土は曲がりやすくなり、辛味も増します。 bm1574_p28_flow_7_1641608514 ゴボウもニンジンもダイコンも、有機物が少ない土壌の方が形のいいものが採れます。低栄養の土壌でよく育つので、畝立ての際の堆肥と元肥は不要です。
生の草や収穫残渣もなるべく土にすき込まないようにしましょう。土壌の未熟な有機物は、又根や肌荒れを招きます。

おすすめのリレープラン

*3月 ジャガイモの植えつけ

関東などの中間地なら3月上旬頃にジャガイモの種イモを植えます。ジャガイモは低栄養で育つので元肥は不要です。3~7日前に耕しておき、植える日に深さ10cm程度の溝を掘ります。種イモの上には7~8cmほど土をかぶせます。 bm1574_p28_flow_3_1641608629

*5月 サトイモの植えつけ

ジャガイモの芽が伸びてきたら、芽かきと土寄せをします。草丈15~20cm程度が行う目安です。平鍬や三角ホーで通路の土を削り、株元に土を寄せます。自然と溝ができるので、サトイモの種イモを植えつけます。
5月上旬頃は地温が低めです。しっかりと覆土をしない方が発芽は早まります。根が出てくる頃には自然と溝の土が崩れて土がかぶります。 bm1574_p28_flow_4_1641608675

*6月 ジャガイモの収穫

ジャガイモの葉が黄色く枯れてきたら収穫のタイミングです。収穫するときに土を掘り起こすと、隣のサトイモの株元に土がかかって、土寄せされた状態になります。 bm1574_p28_flow_5_1641608697

*ダイコンのタネまき

ジャガイモを掘った場所は後作にダイコンを育てます。土をならして、ダイコンのタネをまきます。
サトイモは大きく育って日陰ができてきます。暑さがやわらぎ、夏でもダイコンが育ちます。
8月中旬ぐらいには夏ダイコンが楽しめます。ほかにはコマツナやチンゲンサイも育てられます。 bm1574_p28_flow_6_1641608753

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