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vol.17 プレオーガニックコットンプログラムに注目

  • 2009年3月5日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

オーガニックコットンプログラム 今回はプレオーガニックコットンプログラムについて話をしたいと思います。と言いながら、このプログラムの説明をゼロから始めると、それだけで今回分が終わってしまうので、まずはオーガニックコットンプログラムのオフィシャル・サイトで基礎知識を仕入れてください(笑)。

 いかがですか? 僕は、この取り組みはとても素晴らしいなあと思ったんです。世の中には、その内容自体は「おっしゃる通り」なんだけれど、それをビジネスに結びつけて考えられていないから思いつきで終わってしまっている、という話が多いですよね。実際、思いつくだけだったら、世界中でいろんな人がいろんなことを思いついていますが、それが継続的な取り組みになるようにお金の流れまで設計するというところまでやらないと続かないなあということを、僕自身が最近痛感しています。そういう意味で、この取り組みは本当に面白いと思います。

 この取り組みが素晴らしいと思うのは、これを思いついて実現した人たちと生産者、それに消費者の3者が、それぞれにウィン-ウィンの関係を持てていることです。僕ら消費者は、知識や意識が高まったことに対する歓びを得ることができるし、あるいは自分たちがサポートすることで世界に流通するオーガニックコットンが増えたりコットン農家が救われたりということによって、はっきりと歓びを感じることができる。取り組みの実行者の人たちも生産者を単純にサポートするだけじゃなくて、生産者とつながろうという消費者の流れを加速することで自分たちのコストを減らすことができる。そして、生産者の農家の人たちは、自分たちだけではやりたくてもできないことができるようになるし、その後の収穫物の買い手も保証される形になっています。すごくわかりやすい。それはすごく大切なことですよね。善意という言葉のもとで、取り組みの成り立ちやお金の流れがよくわからないチャリティ企画に参加するのはどうも気持ち悪い部分があったりしますが、お互いに損得のバランスを補い合う関係が成立していることで、この取り組みが継続的に行われることも保証されるように思います。やはり、“ストレス”や“疲労”が残るような取引は続きません。どんなことも長く続けるということをテーマにしていかないといけないと思うし、そのためには現状の枠組みを生かしつつ、みんなが喜ぶような形で必要な変革をどういうふうにやるか?ということが重要になってくると思いますが、その課題を考えるうえで、このプレオーガニックコットンの発想はすごく重要だなと思うんです。

 そして、この枠組みが僕たちに用意しているもうひとつのメッセージは、歓びを見いだす力の大切さだと思うんです。プレオーガニックコットンの期間をみんなで支えることがそこに関わる3者それぞれの“勝ち”につながっているのはいいと思えるということは、つまり自分のなかに歓びを見いだしているということですが、その歓びというのは、かなり概念的で抽象度の高いものだと思うんです。それでも、それは普段の暮らしのなかで、ちょっと視点を変えてみる、ちょっとした時間に妄想をふくらませてみるだけで気づくこと、できることだし、そういう歓びは自分のなかに蓄積していくんです。

  そういうふうに、自分を取り巻く“環境”に目を向け、思いを巡らせることこそが、じつは僕にとっての「環境問題」なんです。


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