いい仕事してますねー。
仕事でちょっと遠くにいるときや、旅行や出張など、ふだんの生活圏とは違う場所にいるとき、ふとSNSに流れてくる広告が目に入ることがありますよね。そのとき、今自分がいる近辺の広告が表示されて驚いた、なんてことありませんか?
「もしかしたら、監視されてる…?」
いやいや、そういうことじゃないんですよ。誰も見ちゃいません。実は、そういう広告が表示されるのには、「IP Geolocation(アイピージオロケーション)」という技術が活用されているんです。その技術について、ギズモード編集部の金本と吉岡が動画で話していますので、ご覧ください。
寿司うまそうだなぁ…。あ、いやそうじゃなくて。動画内で2人が語っているように、自分のいる場所に合わせた広告の表示に使われている技術が、ジオターゲティングです。
ジオターゲティングは、主にWi-Fiやデータ通信基地局のIPアドレスを用いて、ユーザーの大まかな位置情報を取得しています。ピンポイントで位置が取得できるGPSのデータを使うこともありますが、広告を見せる目的だったら、おおよその位置がわかればいいのでIPアドレスで十分なんです。
でも、なんでIPアドレスからユーザーの位置情報がわかるんでしょう? 実は、「IP Geolocation(アイピージオロケーション)」のおかげなんです。
じゃあIP Geolocationって何なの?って話なんですが、これはGeolocation Technology(ジオロケーションテクノロジー)が提供するサービス。簡単に言えば、IPアドレスと位置情報や企業情報、その他さまざまな情報を紐付けたデータベースです。
IPアドレスに位置情報が紐付いているので、IPアドレスがわかればだいたいどこらへんにいるのかがわかり、広告事業者はその位置情報を利用してユーザーごとに広告の表示を変えているんです。
左: 静岡県からアクセスした場合、右: 福岡県からアクセスした場合ちなみに、Geolocation Technologyのウェブサイトにアクセスしていただくと、トップページにイラストが表示されると思います。実はIPアドレスから位置情報を割り出して、アクセスしている場所ごとにイラストが変わっているんです。なので、静岡からアクセスした場合と、福岡からアクセスした場合は違うイラストになるんですね。これもIP Geolocationを活用した事例のひとつです。
IPアドレスに紐付いているデータは、位置情報以外にも企業情報や気象データ、刑法犯データ、人口数や世帯数などの国税調査データ、年収別世帯数推計データなどなど、100種類以上。
広告分野だけではなく、警察の捜査機関にデータ提供をしたり、地方創生やBtoBマーケティング、インターネットセキュリティなどにもIP Geolocationは活用されています。信頼性の高さがうかがえますね。
なんだか、これからSNS広告を見るたびに「IP Geolocationが使われているのかぁ…」って、思い出しちゃいそう。なんとなく見ていた広告も、そう考えると裏側でいろんなテクノロジーが使われているんだなと、ちょっと目頭が熱くなります。
あまり表に出てくることはないけれど、確実に僕らの生活を支えてくれている縁の下の力持ち。そんなGeolocation Technologyに、これからは注目していきたいと思います。
Source: Geolocation Technology