「いくつに見える?」。、見ず知らずの人に自分の年齢をなぞかけされたら、見たままの予想を答えればいいのか、それともあえて鯖を読むべきなのか困ってしまうもの。そんな難題に“最適解”を発見した――!?
漫画家の秋野ひろ(@16_akino)さんはコルクラボマンガ専科の1・2期生で、ユーモアあふれる作品をX(旧Twitter)にアップしている。
2023年8月に公開された作品「あの難問の『答え』出せたかもしれん」は、喫煙所で居合わせた男性との会話の中で「おれいくつに見える?」と問いかけられたときのエピソード。秋野さん自身、小さな子どもに実年齢より相当上の数字を言われて傷ついたり、逆に子ども連れの客に「お孫さんにも」と言ったら「娘です」と訂正されたりと、年齢関係の悲劇を経験してきた。そんな秋野さんが、自分も相手も傷つかない答えとして選んだのが「自分の年齢のひとつ上」だった――、という体験談だ。答えのあとの男性とのやり取りもうれしくなる同エピソードについて、作者の秋野ひろさんにこぼれ話を訊いた。
■描くエピソードは「友達との雑談」で咀嚼
――「あの難問の『答え』出せたかもしれん」では鮮やかな回答が描かれています。ちなみに、それまではどんな風に対応していたのでしょうか?
【秋野ひろ】過去に、相手の実年齢より4、5つほど上の年齢を答えてしまったことがあり、それ以来は隣にいる友達に答えさせてから「実際いくつなんですか?」と聞く役をやることでしのいでました。
――「自分の一個上と答える」とひらめいたときは、内心どんな気持ちでしたか?
【秋野ひろ】とりあえず実年齢よりは絶対低いだろうと思っていたので、過去の失敗は繰り返さないぞという気持ちと、“ちゃんとボケとして言ってますよ”という狙いが伝わってくれ!と祈る気持ちでした。
――年上とは言いつつ相手も笑える回答ですてきな受け答えと感じましたが、秋野さん自身はその後活用していますか?
【秋野ひろ】今回みたいにちょっとでも事前にやりとりがあると返答のときの材料が増えるなというのを学んだので、答えにくい質問が来たときに逆に一旦聞き返してみるというテクニックを覚えました。
――作画の面では、初対面の方の真意の読めない笑顔をはじめ、その時の微妙な雰囲気が伝わるように感じます。人物を描くうえで意識していることや、本作ならではのポイントがあれば教えてください。
【秋野ひろ】自分の身の回りの出来事を漫画にしてることが多いのですが、描く前に一旦友達との雑談で話してみることにしています。たとえば今回の話で「え?でも喫煙所で急に話しかけられたら嫌だね」みたいな反応が返ってきたら、僕自身は別に嫌ではなかったのでその空気感がわかるように意識したりします。
画像提供:秋野ひろ(@16_akino)