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【徳島・高知ほかご当地コスメ】 美しい色に染まるタデアイ白髪染め… 地域の雇用創出につながる逸品も

  • 2024年4月19日
  • CREA WEB

地域や家族など、身近な課題を解消するために生まれたコスメ。

「自分だけ心地いい」から、「環境や社会にとっても、心地いい」を考える人が増えてきました。サステナブルなフードやホテルを選ぶように、コスメにおいても、地球の未来を想い、循環させる仕組みづくりを追求した「サステナブルコスメ」を選びたいものです。

 そこで、ナチュラル&オーガニックライフ専門のPR会社「ラキャルプ」の代表で、「サステナブルコスメアワード」の審査員でもある新井ミホさんに、ここ数年、日本でも急増しているというサステナブルコスメの中から、選りすぐりのものを教えていただきました。

 使う度にその土地や生産者とつながれる、豊かな使い心地のコスメ、ぜひ注目してみてください。第4回は四国篇です。


加工品を作る際に廃棄されていたスダチの皮をアップサイクル

◆【徳島県】CBDAYS「CBD BODY BALM『POSITIVE FLOW』」


CBD BODY BALM「POSITIVE FLOW」30g 6,380円/qols

「CBDAYS」は、原材料であるヘンプを自社提携農場で栽培、徹底した管理の下で抽出された高品質のCBDをベースに、“MADE IN JAPAN”のものづくりにこだわり、すべての製品を日本で製造している日本発のCBDブランド。

「自分の気持ちは自分でつくる」をコンセプトに、睡眠前など緊張を緩めたい、鎮めたいときは“DEEP SILENCE”、プレッシャーや不安をはねのけて、前向きになりたいときは“POSITIVE FLOW”、恋人たちが愛しい気持ちを高めあい、一つになりたいときは“EROTIC POETRY”と、3つの日常の中にあるシーンや気分に合わせて、さまざまなアイテムを展開しています。


徳島の温暖な気候、豊かな降水量がスダチ栽培に適しているといわれている。

 なかでも「POSITIVE FLOW」シリーズには、地元・徳島の特産品であるスダチを使用。ポン酢などの製品を作る工程で廃棄されてしまっていたスダチの皮を水蒸気で蒸留・抽出した精油が使われています。


加唐島に自生するツバキから抽出したオイルは、古くから地元でも使用されてきた。

 ハンドクリームやボディクリームとしてだけでなく、髪にも使用できる「CBD BODY BALM『POSITIVE FLOW』」は、CBDとホホバ種子油、佐賀県加唐島(かからしま)に自生するツバキから抽出した種子油などの植物原料を組み合わせた保湿効果の高いバーム。

 徳島県産のスダチやライムによるすっきりと爽やかな香りは、気持ちをリセットしたいとき、自信を付けたいときにぴったりです。

 この他、さらに高濃度のCBDや、名産地として知られる徳島県の※旧木頭村(きとうそん)で無農薬栽培されたユズの果皮を使用したバーム「ULTIMATE30」も販売されています。

「製品に使用している椿オイルは、加唐島の農家さんたちが一つひとつ丁寧に収穫した椿の実をじっくりと天日干しし、手作業で搾油しています。加唐島はとても小さな島で、かつては漁業が主な収益源だったのですが、数年前から漁獲高が減り、現地の方の仕事がなくなってしまうという問題を抱えていました。そこでもう一つの特産物である高品質の椿油を私たちの製品に取り入れることで、少しでも地域の雇用創出につながればと考え、活用させていただきました」(CBDAYS 担当者)

 爽やかな柑橘の香りに包まれながら、スダチ農家やツバキ農家の方たちにも思いを馳せてみて。

※現在の那賀町木頭地区

qols

電話番号 088-678-9015
https://cbdays-qols.com/

髪にも地球にも優しい染毛剤を求めてたどり着いた「タデアイ」

◆【高知県】藍里農園&コスメティクス「フルオーガニックスパカラータデアイ」


フルオーガニックスパカラータデアイ 30g 2,100円/藍里農園&コスメティクス

「フルオーガニックスパカラータデアイ」は、高知県の北東部・土佐山田町の自社農園で栽培したタデアイ(蓼藍)を使用した染毛剤。


無農薬でタデアイを栽培するのはひと苦労。初めの頃は害虫や雑草に悩まされたという。

 開発したのは依光文雄さん、洋子さん夫妻。もともとは、洋子さんが白髪染めを使う度に起きる抜け毛の解決策を探す中でインドのヘナに出合い、やがて藍染めの原料となるタデアイにたどり着いたそう。

 直接肌に触れるものだから、とことん優しいものを作りたいとオーガニックにこだわり、6年の歳月をかけて開発に成功しました。

 タデアイに含まれる色素「インジゴ」や「インジルビン」には粘膜治癒効果が認められているほか、これらの色素に含まれる抗酸化作用のあるポリフェノールには、スーパーフードとして注目されるビルベリーの4倍以上、さらに抗菌作用と抗アトピー作用が期待されている成分「トリプタンスリン」も含まれているため、白髪を自然に染めながら頭皮環境をケアし、ハリやコシのある髪に導いてくれます。


パウダー状の「フルオーガニックスパカラ―タデアイ」はグリーンだが、使用後はグレーに。

 姉妹品で沖縄産の無農薬ヘナを使用した「純国産フルオーガニックスパカラー ヘナ」と組み合わせることで、ライトブラウン〜ダークブラウンまで染めることができるそう。

 ヘアカラーでかぶれたり、しみたりといった悩みを抱えている人や、年齢を重ねて頭皮環境が気になる人、ヘアカラーを卒業したいという人にもおすすめです。

 タデアイの栽培はもちろん、収穫、洗浄、加工、製造までほぼ手作業。また、タデアイの抗菌作用や消臭作用などに着目し、染毛剤を作る際に余る茎の部分を使った「藍里足用ペーストソープ 爽藍」も開発しました。

「古くから染料として珍重されてきた藍が可能性を秘めた植物であることは近年の研究で明らかにされていますが、生産農家は減少の一途をたどっております。藍の生産農家が安定して経営できるように、また次の世代にバトンを渡すためにも、さらに藍の可能性を追求した製品の開発・販売を行います」(藍里農園&コスメティクス 担当者)

藍里農園&コスメティクス

問い合わせ https://www.ailifarm-cosmetics.jp/contact/
https://www.ailifarm-cosmetics.jp/

規格外の伊予柑を使った、お肌も心もうるおう石けん

◆【愛媛県】yaetoco「伊予柑しっとり石鹸」


伊予柑しっとり石鹸 100g 1,650円/無茶々園

 愛媛の特産物として真っ先に頭に浮かぶのは、伊予柑をはじめとする柑橘類。

 一年に一度しか収穫できない柑橘類ですが、すべてが青果として出荷されるわけではなく、大きすぎたり小さすぎたりするものや、皮がゴツゴツとした果実などは加工用になります。

 果汁はジュースやゼリーなどさまざまな商品に利用されますが、果皮の大半は使いきれず、廃棄しているという現状がありました。

 そこで、搾汁後の果皮を有効活用したいとの想いから誕生したのが、コスメブランド「yaetoco(やえとこ)」です。


畑いっぱいに実る柑橘類。一つひとつ手作業で収穫する。

 原料となる柑橘類を育てているのは、温暖な気候に恵まれた愛媛県明浜町(あけはまちょう)で、除草剤や化学肥料を使わず、またできるだけ農薬も使わずに柑橘類などを栽培している生産者団体の「無茶々園(むちゃちゃえん)」。

 yaetocoのコスメには、手間ひまかけて育てた無茶々園の柑橘類の果皮から抽出した精油と蒸留水が使われています。

「伊予柑しっとり石鹸」はその名の通り、伊予柑から抽出した精油と蒸留水に、真珠貝のパウダーを配合しているのが特徴。


顔を洗うたびに、フレッシュな伊予柑の香りに癒される。

 箱を開けた瞬間に広がる爽やかな香りは、伊予柑の皮をむいた瞬間に弾ける香りそのもの。保存料、凝固剤、防腐剤などの添加物は一切使わず、保湿成分を損なわない「コールドプロセス製法」で作られています。

 原料となる油はオリーブ油など食用にも利用される高品質なものを厳選。微生物によって分解されやすく、水に流したあとの環境負荷が少ないというメリットも。一つひとつの工程は手作業で行われていて、完成まで約2か月かかるそう。

 生産、製造において何よりも大切にしているのは「柑橘の良さを活かすこと」。伊予柑以外にも、甘夏やレモン、ぽんかんなどを使った商品も展開しています。

無茶々園

電話番号 0894-65-1417
https://www.muchachaen.jp/

●教えてくれた人

新井ミホさん

2012年にナチュラル&オーガニックライフ専門のPR会社「株式会社LA CARPE」を設立。オーガニックコスメ&フード、マクロビオティック、薬膳、フレグランスブランド、クリニック等のブランディングやPRコンサルティング業務に携わる。
https://lacarpe.jp/

文=河西みのり
撮影=釜谷洋史

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