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【北海道・岩手の溺愛コスメ3選】 力強い香りの虜に! 地域活性化にも つながる「朝摘み」ハマナスのミスト

  • 2024年4月13日
  • CREA WEB

「自分だけ心地いい」から、「環境や社会にとっても、心地いい」を考える人が増えてきました。サステナブルなフードやホテルを選ぶように、コスメにおいても、地球の未来を想い、循環させる仕組みづくりを追求した「サステナブルコスメ」を選びたいものです。

 そこで、ナチュラル&オーガニックライフ専門のPR会社「ラキャルプ」の代表で、「サステナブルコスメアワード」の審査員でもある新井ミホさんに、ここ数年、日本でも急増しているというサステナブルコスメの中から、選りすぐりのものを教えていただきました。ぜひ注目してみてください。

 第1回目は北海道・東北篇です。


サステナブルなものづくりに取り組むコスメブランドが急増


北海道・東北エリアのサステナブルコスメ。個性豊かな素材を用いたものが多い。

 新井さんが代表を務める「ラキャルプ」で扱っているのは、化学的な成分を使わず、有機農法で栽培された植物をはじめ、自然・天然由来の成分を原料に作られるナチュラルなオーガニックコスメ。

 新井さんによると、“SDGs”という言葉が普及する以前から、自然環境に配慮したコスメを製造・販売するブランドはありましたが、近年はさらに広い観点からSDGsに取り組んだものづくりがスタンダードになりつつああるとか。


ここ数年で地球の未来を想い、さまざまな角度からサステナブルなものづくりに取り組むコスメブランドが急増。

「かつての日本にはサステナブルコスメという言葉や明確な定義がなく、わざわざ海外製品を調べて探さなければ手に入りませんでした。ところがここ数年で、単に“無添加”や“自然・天然の由来成分”を謳うだけではなく、パッケージも環境に配慮した素材を使っているものや、廃棄素材をアップサイクルしたもの、地域の特性や風土を活かしたものなど、地球の未来を想い、循環させる仕組みづくりを考えているコスメがたくさん登場しています」(新井さん)

 2019年から始まった、「人にも地球にもやさしいコスメ」を表彰する「サステナブルコスメアワード」には、毎年全国各地から特色のあるサステナブルコスメが集まります。

「驚いたのは、Z世代など若い世代の人たちが学校でSDGsについてしっかりと学んでいて、自分がモノを買う時の選択肢の一つに『サステナブルかどうか』が含まれていること。私たち大人以上に“当たり前”のこととして捉えているんです。

 サステナブルコスメアワード2022には、茨城県の高校生が自主的に立ち上げたプロジェクトから生まれた、ひまわりのリップクリームが出品されました。地元の休耕農地解消と地産地消を目指し、学生たちが無農薬で栽培したひまわりの種から低温圧搾したオイルを使用したもので、すごく素敵なコスメでした」(新井さん)

 食べ物のように“地産地消”の考え方がコスメにも広がり、選択肢が広がっていることは嬉しく、消費者にも身近に感じてもらえたらと話す新井さん。

 サステナブルなコスメを選択することは、間接的な社会貢献にもつながります。自分が生まれ育った地域や、応援したいエリアをこれまでとは違う視点で注目してみると、新しいサステナブルコスメとの出会いがあるかもしれません。

アイヌの人々も愛用したハマナスの香りを閉じ込めたミスト

◆【北海道】rosa rugosa「ロサ・ルゴサ 朝摘みローションミスト<全身化粧水>」


ロサ・ルゴサ 朝摘みローションミスト<全身化粧水>150ml 3,300円/ciokay

 北海道十勝にある人口4,200人ほどの小さな町・浦幌(うらほろ)で、栽培から原料加工まで一貫して行っている「rosa rugosa(ロサ・ルゴサ)」。


「北海道の花」にも指定されているハマナスの花。

 元々は町おこしの活動からスタートした取り組みで、「北海道や地元・浦幌町の花としても指定されている“ハマナス”を使って、地域を活性させたい」という想いからスタートしました。

 地元在住の女性が中心となって商品開発に取り組んでいるほか、高齢者やファミリーなど、地域で暮らすさまざまな人が、ハマナス栽培やパッケージデザインに携わっているといいます。

「朝摘みローションミスト」に使用するのは、北海道の厳しい冬を乗り越えて初夏、最初に花を咲かせるハマナスの一番花(いちばんばな)のみ。“朝摘み”の文字通り、最も香りをため込むといわれている夜明けに一つひとつ手で摘み取り、その日の内に香りを抽出する作業も行います。


古くからお茶やジャムなど、食料としても活用されてきた。

 英名で「Japanese Rose」と呼ばれるように、ハマナスは日本原産のバラ。ビタミンCが豊富に含まれていて、アイヌの人々は花びらを煎じて飲んだり、気持ちを落ち着かせるハーブとして利用したり、果実を疲労回復に効く食料としていたりと、さまざまに活用してきたのだとか。

 サラッとしたテクスチャーは季節を問わずに使えるほか、頭皮や髪、ボディのケアにもおすすめです。

「私たちのテーマは『強く生きる、を支える』。この言葉には、ハマナスが私たちを支えてくれる、私たちが使ってくださる皆様を支えたいという2つの意味が込められています。北海道というとラベンダーやハッカが有名ですが、私たちはそれらの植物に並ぶポテンシャルがハマナスにはあると考えています。

 植物と同じように、少しずつ根を張りながらさまざまな場所で浦幌町のハマナスを広め、お使いいただける方だけでなく、人口減少や過疎化が進む日本の田舎町の希望につながる取り組みにできればと思っています」(rosa rugosa 担当者)

ciokay

電話番号 015-578-7591
https://rosa-rugosa.jp/

北海道の大自然の恵みを閉じ込めた保湿ミスト

◆【北海道】ICOR「イコ オイルインミスト」


イコ オイルインミスト 50ml 3,740円/ICOR

 2020年に誕生した「ICOR(イコ)」はアイヌ語で“宝物”を意味する言葉が付けられたブランド。シラカバやラベンダー、ハマナス、ガゴメ昆布など、自然豊かな北海道ならではの、ナチュラルな美容成分を90%以上配合したコスメを展開しています。


羊蹄山の雪どけ湧き水をベースに、北海道の恵みが閉じ込められている。

 ICORのものづくりにおいて、欠かせないのがニセコ・羊蹄山の雪どけ湧き水。70〜80年もの月日をかけて天然のフィルターでゆっくり濾過された湧き水は「日本の名水百選」にも選ばれていて、ミネラル分を豊富に含み、人のPH値に近い弱アルカリ性の超軟水です。

「イコ オイルインミスト」は、羊蹄山の雪どけ湧き水に加え、北海道産の米ヌカや米の胚芽から抽出、精製された「米ヌカ油」や「米セラミド」、北海道近海で水揚げされた鮭由来の「サクシノイルアテロコラーゲン」、和漢植物の紫根を発酵させた美容成分「発酵シコン」、「ユーカリ葉油」など、自然由来成分99%を使用した保湿ミスト。

 うるおいをオイルで蓋をして閉じ込める二層式構造で、“オイルイン”でありながらも肌なじみがよく、シュッとひとふきで美容成分がスーッと浸透。うるおいと同時にハリ、ツヤのある肌に導き、バリア機能をサポートします。


年齢や性別、そして季節や肌タイプを問わず、いつでも、誰でも使えるのが魅力。

 毎日のスキンケアはもちろん、髪の保湿やネイル&ハンドミストとして、お風呂上がりのボディミストとして、この1本で全身のうるおいケアができる優れもの。ラベンダーやサイプレスなど、さわやかな甘さの中にスパイシーさを感じる香りは、気分をリフレッシュしたいときのアロマスプレーとしても使えます。

 また、性別を問わずに使えるシンプルなデザインや、軽くて持ち歩きやすいパッケージも魅力のひとつ。パウチ型容器に入ったエコ&お得な詰替用(50ml 3,190円)も販売されています。

「通常は廃棄されてしまうお米のヌカや胚芽、鮭を加工した際に余る皮の部分など、北海道ならではの素材がふんだんに取り入れられています。単に“ナチュラル”なだけでなく、香りやテクスチャーなど、使い心地の良さにもこだわって作られています」(新井さん)

ICOR

電話番号 0570-009-150
https://icor.jp/

休耕地を活用した田んぼで栽培された、有機JAS玄米が原料

◆【岩手県】ファーメンステーション「奥州サボン プレミアム」


奥州サボン プレミアム 80g 2,750円/ファーメンステーション

 現在、日本の耕作放棄地や休耕地は全体の1/3と言われています。この現状を変えるため、ラボがある岩手県奥州市の休耕田を活用して栽培した無農薬・無化学肥料の有機JAS玄米を原料に、さまざまな化粧品原料や製品・雑貨などを企画・開発しているファーメンステーション。


岩手県の豊かな自然に囲まれた休耕田を活用。

 玄米を独自の技術で発酵・蒸留した「オーガニックライス・エタノール」を使ったボディスプレーのほか、エタノールを製造する際に出る発酵粕「米もろみ粕」も有効活用。化粧品原料のほか、鶏や牛の飼料として地域の農家さんに提供、その家畜のフンは畑や田んぼの肥料になり、その畑で野菜が育つ……といった、人にも地球にもやさしい循環システムが構築されています。

 また、「米もろみ粕」を外部機関で調べたところ、セラミドやアミノ酸に加え、抗酸化作用、抗老化作用、ヒアルロン酸保持効果などが期待できる成分が含まれていたことから、年代を問わず、みんなで使える石けんを作ろうと「奥州サボン」シリーズが誕生したのだとか。


「米もろみ粕」にはお肌に嬉しい成分が豊富に含まれているという。

 この「プレミアム」は、米もろみ粕をろ過せずにそのまま使用。米ヌカ、ホホバ、ツバキなどの植物オイルをバランスよく配合し、より“しっとり、もっちり”肌の実現を目指しました。良質な成分が壊れにくい「コールドプロセス製法」で、熱をかけずじっくり熟成をさせた石けんは泡立ちがよく、洗いあがりは何度もお肌を触りたくなるしっとり感で、お米本来のほんのり甘い香りが特徴です。

 パッケージには、極力ごみを出さないよう再利用できる布袋を採用。地域に良い循環が派生するようにとの想いから、布袋の縫製は奥州市内にある福祉施設に依頼しています。

「ファーメンステーションの製品を使い続けることで、地域や環境にやさしい健やかな循環が生まれ、日々の選択が環境配慮へのプラスになるアクションにつながります。私たちの商品を通じて、そういった共感が生まれたら嬉しいです」(ファーメンステーション担当者)

ファーメンステーション

問い合わせ https://fermenstation.co.jp/contact/
https://fermenstation.co.jp/

●教えてくれた人

新井ミホさん

2012年にナチュラル&オーガニックライフ専門のPR会社「株式会社LA CARPE」を設立。オーガニックコスメ&フード、マクロビオティック、薬膳、フレグランスブランド、クリニック等のブランディングやPRコンサルティング業務に携わる。
https://lacarpe.jp/

文=河西みのり
撮影=釜谷洋史

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