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週末は自転車旅へ 自由気ままなポタリングで 小田原観光を満喫

  • 2024年4月5日
  • CREA WEB

 週末にちょっと遠出したいなとか、今日は天気がいいからアウトドアを楽しみたいな、なんて思うことはありませんか?

 そんなときには、自転車で観光地を巡るポタリングなんていかがでしょうか。自転車一つあればエリア内を自由に移動でき、自然を体感しながら観光が楽しめます。

 アウトドアメーカー「モンベル」をはじめとするジャパンエコトラック推進協議会が新たな旅のスタイルとして提案する「ジャパンエコトラック」には、全国各地の魅力に触れられる自転車旅のルートが満載。

 今回は、その中の一つ「小田原周遊サイクリングルート」を私CREAアンバサダーの佐藤由樹が実際に体験。ルート上でどんなことが楽しめるのか、ジャパンエコトラックの活用方法とともにご紹介します。


体を動かしながら観光を楽しむという、新しい旅のかたち


ジャパンエコトラックを活用するには、スマホのアプリが便利です。

 ジャパンエコトラックは、自転車など人力による移動手段で、日本各地の豊かな自然をはじめ、歴史や文化、グルメなどを満喫する新しい旅のスタイル。

 各地の特性を生かした旅のルートを考案し、おすすめの立ち寄りスポットのほか、ルートの距離、所要時間などの情報を発信しています。

 自転車のみならず、パドルスポーツやトレッキング用のルートもあり、山から海、川までさまざまな旅が楽しめるところも魅力。

 モンベルの各店舗で手に入るガイドマップや公式WEBサイトでもルートは確認できますが、現地で使うならスマホのアプリが圧倒的に便利。GPS機能で現在地が確認できたり、訪れたスポットやルートを記録しておいたりすることができます。

ジャパンエコトラックのアプリを使って、いざ小田原へ!

 アプリには全国各地のルートがリストアップされていますが、今回は小田原周遊サイクリングルートを走行するので、目的のルートを事前にアプリからダウンロードしておきます。


ルートリストの中から、走行するルートを選んでダウンロード。

 小田原ルートは、市内の観光スポットを約半日で回るコース。小田原は都内から新幹線で約30分、電車でも約1時間半と気軽に行ける距離なので、日帰り旅にぴったりです。

 小田原駅に到着したら、まずは自転車をレンタル。駅からほど近い「小田原駅東口駐車場」では、普通自転車のほかに電動アシスト自転車の貸し出しも行っていて、普通自転車で1回500円、電動アシスト自転車でも1回1,000円とめちゃくちゃ安い。


小田原駅東口駐車場の1階受付でレンタサイクルを申し込みます。

 受付で申し込みをしてから、駐輪場へ行って自転車とヘルメットを借ります。自転車のサドルの高さを調整し、ヘルメットを被ったら準備は完了。

 アプリからダウンロードしておいたルートを表示し、「活動開始」をタップしたら出発です!


小田原ルートのマップ画面。スタート時には、忘れずに「活動開始」をタップしましょう。

春爛漫の景色を眺めながらサイクリング


こちらの建物は、「鈴廣かまぼこの里」の敷地内にある「かまぼこ博物館」。

 自転車で町へ繰り出すと、城下町の風情あふれるのどかな町並みが続きます。

 しばらく走っていると、自然に満ちたけ景色が広がり始めました。緑を眺めながらのサイクリングは爽快。ちょうど川沿いの桜も見ごろを迎えていました。小田原は梅が有名ですが、2月から3月くらいまでは早咲きの桜も楽しめます。


小田原は自然が多いので、自転車旅に最適。

25分ほど走ると、1つ目のスポット「鈴廣かまぼこの里」に到着。

 自転車を置いたら、まずはアプリでスタンプの取得を。ジャパンエコトラックのアプリにはスタンプラリー機能があり、ルート上に設定されているポイントに到着するとスタンプが獲得できます。


1つ目のスタンプを獲得!

 ここには、かまぼこの老舗・鈴廣の本店のほか、鈴廣が経営するカフェやレストラン、ショップ、博物館、ビール醸造所などさまざまな施設が入っており、ちょっとしたテーマパークのよう。

 なかでもおもしろいのが「かまぼこ博物館」。1階にはかまぼこの原料や歴史について学べる展示があり、奥の工房では職人たちがかまぼこを作る様子をガラス越しに眺められます。

 ところで、かまぼこ職人には国家資格があるのをご存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。鈴廣には国家資格である水産練り製品製造技能士の1級を保有する職人が多く在籍しているそうです。


職人の熟練技を間近で見ることができます。

 2階はかまぼこ板絵美術館となっており、3階は「あげかま体験教室」などが楽しめる、食と科学をテーマにしたフロア。館内で一番人気があるのは、「かまぼこ・ちくわ手づくり体験教室」だそうです。

 当初は体験教室に参加する予定だったのですが、このサイクリングルート体験が雨天順延となったこの日は、すでに教室は予約でいっぱい。体験できず残念です……。

 かまぼこ博物館での体験教室は老若男女問わず人気があり、平日でも休日でもかなり予約が入るそうなので、早めの予約がおすすめです。

かまぼこの里は見どころいっぱい!


「えれんなごっそ CAFÉ107」にある電車の車両の中でも、コーヒーや食事が楽しめます。

 敷地内を歩いていると、目を引くのが電車の車両。「えれんなごっそ CAFÉ107」にあるこの車両は、実際に箱根を走行していたものを引退後に譲り受けたのだそう。

 車両内でもコーヒーや食事を楽しむことができ、時折車内アナウンスが流れるところもおもしろい。

 鈴廣の直営店は5店舗ありますが、贈答用の特注品販売を行っているのは本店だけ。伊達巻をさらにかまぼこで巻いたものや表面に柄や文字を施したものなど、まるでアート作品のようなかまぼこの数々が並んでいます。どんな人に贈っても喜ばれそう。


春らしい木の芽や縁起のいい海老の模様などを施した、おしゃれなかまぼこがずらり。

鈴廣本店の店内。会員専用ラウンジもあり、会員の方々がお茶を楽しんでいました。

 お土産の購入にぴったりなのが「鈴なり市場」。多種多様なかまぼこ製品のほか、雑貨店、干物店、かまぼこバー、カフェなどが入っています。

 ここでしか食べることができないのが、「汐風カフェ」の伊達巻を使ったチュロス、スムージー、ジェラートの3品。この時期はおでん串を模したかわいいケーキもありました。


「鈴なり市場」の建物は、なんと箱根登山鉄道の風祭駅直結。

 この日はちょうど早咲きの桜が満開で、かまぼこの里の中心部に植えられている「大漁桜」が盛大に咲いていました。

 敷地内ではたくさんの花や果物の木々が見られ、豊かな自然に癒やされます。春の花々をはじめ、夏は新緑、秋は紅葉と、年間を通して美しい景色が見られるそうです。


桜の木からはメジロのさえずりが聞こえました。

鈴廣かまぼこの里

所在地 神奈川県小田原市風祭245

https://www.kamaboko.com/sato/

山の景色から一転、海の町へ


「漁港の駅TOTOCO 小田原」からは、相模湾を一望できます。

 さて、次のスポットへ向けて自転車を走らせること約15分。徐々に山から海の景観へと変わっていきます。

 2つ目のスポットは、「漁港の駅TOTOCO 小田原」。相模湾で獲れた魚介を販売する店や、飲食店などが入ったおさかなのテーマパークです。

 1階は魚介類、水産加工品、野菜、果物、調味料、スイーツと、とにかくいろんなものを売っていて、見て回るだけでも楽しい。

 2〜3階は飲食店フロアになっていて、小田原漁港直送の海鮮料理を味わえます。


1階にある魚介の販売店。小田原市が特許を取得した「カマスの骨を取る器具」を使って加工された「かます棒」を売るお店もありました。

地元産の野菜や果物がずらり。湘南ゴールドを使ったドレッシングやお菓子などもたくさん売っています。

 今回は、2階にある「小田原漁港とと丸食堂」でランチに「とと丸頂上丼」を食べてみました。

 多い日は1日に100食以上も出るという、この店一番の人気メニューで、小田原漁港直送の約5種類のお刺身がこぼれんばかりに盛られています。


とと丸食堂の「とと丸頂上丼」2,580円(税込)。

 この日はマグロ、サーモン、ブリ、イクラなどが使われていて、その量なんと約300グラム、ごはん約350グラムとあわせて、総量約650グラムとボリューム満点! 体力を使う自転車旅にぴったりです。

 食事は店内だけでなくテラスで味わうこともでき、相模湾を眺めながら食べる海鮮丼の味は格別。ツヤツヤの刺身を頬張ると、口いっぱいに海鮮の旨みが広がります。


この日着用したのは、モンベルのストームクルーザー。軽くて着心地のいいジャケットはサイクリング中も動きやすく、潮風からしっかり防寒してくれます。ストームクルーザー ジャケット Women's コーラルピンク(COPK)¥26,400(税込)/モンベル

 デザートにTOTOCO 小田原の人気商品「小田原漁港プリン」もペロリ。ミルクプリンの上に海の中をイメージしたゼリーがのっていて、見た目も鮮やか。


「小田原漁港プリン」480円(税込)。1階店舗で購入できます。

 平日でも大勢の人で賑わうTOTOCO 小田原ですが、その人気の理由は漁港から直送した海産物が味わえるところ。TOTOCOは小田原漁港から5分ほどの距離にあるので、鮮度がまったく違うのだそうです。

漁港の駅 TOTOCO小田原

所在地 神奈川県小田原市早川1-28

https://www.totoco-odawara.com/

自転車旅は、好きな場所に気軽に立ち寄れるところも魅力


海の景色は眺めているだけで癒やされます。

 お腹が満たされたら、最後のスポット「小田原城」へ向かいます。が、途中でちょっとだけ寄り道を。思いたったらふらりと寄り道できるのも、自転車旅のいいところです。

 明治時代に天皇と皇后が訪れたことがビーチの名前の由来にもなっている、「御幸の浜」に立ち寄ってみました。砂浜を歩くと潮風が心地いい。

 TOTOCOから御幸の浜まで民家が立ち並ぶエリアを通ってきたのですが、車だとなかなか通らないような裏道を通るのは楽しいし、渋滞などのストレスもなく快適です。


「御幸の浜」には、1873年に明治天皇と皇后が地引網の見学に訪れたそうです。

 さて、御幸の浜から10分ほど走ると、小田原の観光名所・小田原城に到着。ここでは小田原ガイド協会のガイドさんの説明を聞きながら、天守閣まで散策します。

 敷地は東京ドーム約2.3個分の広さがあり、天守閣に行くまでに3つの門を通ります。廃城に伴う解体や震災による崩落などによって創建当時の建物はほとんど残っておらず、現在ある天守閣などは当時の姿を再建したものなのだそう。

 歴史的資料を基に再建された重厚な建物には、敵を侵入させないための石落としや矢狭間、鉄砲狭間などの仕掛けもしっかり施されており、見ごたえたっぷり。


ガイドさんが徳川家康や江戸時代の城主であった大久保氏の話に触れながら、城内を案内してくれます。

 城内には自然が多く、桜や梅の花などが城址を彩り、和の趣にあふれています。市内最大といわれる巨松や樹齢500年以上のイヌマキの姿も圧巻です。


小田原城では、四季折々の花々を観察できます。

 ちなみに、以前は象や猿、ライオンもいたのだそう。天守閣の裏手にはこども遊園地もあり、豆汽車やバッテリーカーで楽しむことができます。市民にとって小田原城は、動物園や遊園地のイメージもあるのだそうです。

 また、現在の天守閣は4代目で、真っ白な壁が特徴。徳川家康の時代に建築された城は白壁、豊臣秀吉の時代の場合は黒い壁が用いられることが多かったそうで、現在の小田原城は徳川家の支配下にあった江戸時代の姿が再現されています。


真っ白な壁が印象的な天守閣。

 天守閣前で一旦ガイドさんと別れ、天守閣の内部の見学へ。

 天守閣は5階建てで、小田原城の歴史的資料や武具、美術品などの展示のほか、江戸時代の天守閣にあった摩利支天像を安置していた空間を再現したコーナーもあります。小田原城に関するクイズコーナーもあるので、子どもも楽しめそう。

 最上階には展望デッキがあり、360度の大パノラマは旅の締めにぴったりの壮観です!


備え付けの双眼鏡もありました。

眼下には、城内と青海の光景が広がります。

小田原城

所在地 神奈川県小田原市城

https://odawaracastle.com/

 さて、これで小田原ルートのスポットをすべて回りました。最後に自転車を返却しに小田原駅東口駐車場へ戻ります。

 小田原城と小田原駅は近く、自転車で約5分。無事に自転車を返却したら、アプリの「活動終了」ボタンをタップしましょう。サイクリングルートを完走した証に「完走バッジ」を獲得できます。バッジがもらえるのも達成感があってうれしい。


「活動終了」ボタンをタップすると、ルートの終了画面が表示されます。

ルートを完走するごとに、バッジが増えていきます。

 小田原の自然から食、歴史まで楽しめる、充実度満点だった今回の自転車旅。何より体を動かすことが気持ちよく、日頃の運動不足が解消されて、気分もリフレッシュできました。次はどのサイクリングルートを走ろうか楽しみです!

ジャパンエコトラック

https://www.japanecotrack.net/

文=佐藤由樹
撮影=細田忠

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