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新感覚の洋菓子と地元に長く愛されてきた和菓子が並ぶ、 福井市の老舗「昆布屋孫兵衛」

  • 2024年5月13日
  • ことりっぷ


創業240年を超える老舗、和洋折衷の菓子店「昆布屋孫兵衛(こんぶやまごべえ)」。カウンターには、いちご餅やどら焼きなどの先代が作る和菓子と、名店で修業を積んだ17代目による福井県の素材を使う最先端の洋菓子が並びます。和洋折衷のお菓子を求めて、お店を訪ねてみませんか。
えちぜん鉄道勝山永平寺線の福井口駅から歩いて8分ほど。128号線・松本通り沿いの交差点角に、大きなひさしが印象的な洗練された雰囲気のお店があります。
茶道とともに発展してきただけでなく、餅まきや婚礼菓子など独自の菓子文化を持つ福井県。福井市の「昆布屋孫兵衛」は、当時廻船問屋を営んでいた昆布屋当主が「古代酒饅頭」と呼ばれるお饅頭を、時の越前藩主に献上したことからお菓子の歴史が始まったといいます。そして、先代が和菓子を極め、17代目が洋菓子のさまざまな可能性に挑戦をしています。
17代目の昆布智成さんは、東京の大学を経て東京製菓専門学校へ。その経緯は、妹さんに進められて口にした東京・尾山台にある「オーボン・ヴュータン」のケーキから始まります。それまで家業の和菓子店を継ぐことを敬遠し、甘いものでさえあまり口にしてこなかった智成さんが、フランス菓子に興味を持った瞬間でした。
それから、東京に拠点を置きオーボン・ヴュータンにてフランス菓子の基礎を習得し、「ピエール・エルメ サロン・ド・テ」、渡仏して南仏のパティスリー「リエデレ」、パリでは2つ星レストラン「ラトリエ ・ド・ジョエル・ロブション」でデセールを担当するなど、第一線で修業をされ、東京「アン グラン」を経て、地元福井へ。
名店で実績を積み、40歳を迎えて独立をと考えたとき、自分が生まれ育った老舗の歴史や、おいしい食材に恵まれた地元と改めて向き合った智成さん。相談した両親は、息子が地元に戻って屋号を引継ぐことを受け入れたといいます。実は、店を閉めるつもりだった先代。改装してリスタートすることになった智成さんの意志が、長年愛されてきたいちご餅やどら焼きを存続させたともいえそうです。
智成さんがつくる洋菓子は、サブレやフロランタンなど焼き菓子。それに、常時約3~4種類の生ケーキは、漆塗りの木箱に入っていて、定番人気は宇治抹茶のムース「常盤」。グラサージュしたムースの中には、マリーゴールドで香り付けをしたアンズと丹波産大納言小豆が入っています。飾りは、福井市にあるワトム農園のエディブルフラワーです。
生ケーキや、一部和菓子もイートインが可能です。ドリンクは、コーヒーや紅茶(各550円~)から選べます。越前水仙を描いたお皿、伊万里の作家もののお皿に、カトラリーレストは鯖江市の「井上徳木工」のものを使うなど、ひとつひとつにこだわりがあります。
不定期で、季節のフルーツなどを使用したアシェットデセールも用意されます。詳細はInstagramでお知らせをしていますよ。
東京で仕事をしていたときも、福井県の黄金の梅やとみつ金時といった食材を使用してきたという智成さん。今後も、福井のものを積極的に使い洋菓子を創作していくといいます。最近では、ふくい南青山291内のカフェ「Cultive291」とのコラボクレープや、京都の「KYO AMAHARE」の茶房へのスイーツ提供など、さまざまな場所でも味わえるように。福井へ旅したときは、立ち寄っておきたいお店です。

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