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木漏れ日が心地いい縁側でほっと一息♪小麦の香る古民家ベーカリー。小田原「麦焼処 麦踏」

  • 2021年11月2日
  • ことりっぷ


都内からもわざわざ訪れる人が絶えないベーカリー「麦焼処 麦踏」。地元の湘南小麦をはじめとした石臼で製粉した国産の小麦粉を使って焼き上げるパンは小麦本来の香りが食感と共に楽しめ、連日多くの人々を惹きつけています。温暖な気候を生かしたミカンやレモンの栽培が盛んな小田原・江之浦の散策を兼ねて立ち寄ってみませんか。
相模湾を見下ろす高台に佇む「麦焼処 麦踏」。築70年の古民家をリノベーションした一軒家で、まわりを緑をたたえた大きな木々が囲みます。ここは戦国武将の豊臣秀吉が小田原城攻めの時に千利休を呼んでお茶を点てさせたといわれる天正庵があった跡地でもあり、のんびりとした時間が流れます。
のれんをくぐって入ると板敷きの廊下になっていてその突き当りがベーカリーの入り口です。廊下の左右の畳の部屋やゆったりとした広縁は開放されているので、購入したパンのイートインもできます。
南側の広縁は、座布団に座ってホッと一息つけるとっておきの場所。靴を脱いで上がってもいいし、靴のまま腰かけてお目あてのパンが焼きあがるのをひなたぼっこしながら待つのも楽しい時間です。
入口にある石臼の横には古民家のリノベーションを手伝った学生さんが小麦栽培の1年を描いた手づくりの絵本があります。一冊だけの特別な絵本で、それを大切に扱いながら見て過ごすのも子供の頃に戻ったかのようなノスタルジックな気分になりますよ。
10時のオープンを目指して朝2時から焼き始めるのは店主の宮下純一さんです。これまでベーカリーのほかでも和菓子店や小麦を挽く製粉の会社で修業をし、農業研修を経て農家資格も習得、南足柄では畑で小麦の栽培もこなす根っからの職人気質。このベーカリーの約30種類のパンもたった一人で10時間以上焼き続けます。
そんな宮下さんのこだわりは材料となる小麦粉で、湘南小麦をはじめとして神奈川県産の小麦をメインに北海道などの国産の小麦を石臼で製粉したものを使います。一見ハードに見えるパンも柔らかい種類のものもあり噛むほどにそれぞれの風味が味わえるのが人気の秘訣。宮下さん自身もパンを手に取ったときの小麦の香りを大切にしているのだそう。
予約必須の食パンと同じぐらい人気なのが「神奈川県産小麦のバターロール」。南箱根の自然に恵まれた土地で育まれた丹那牛乳を使ったオラッチェバターの風味が小麦の香りと一緒にふんわりと漂います。このバターロールはお昼頃に焼きあがるのでタイミングがよければ焼きたてに巡り合えることも。
セルフで淹れるコーヒー(200円)の用意があるほか不定期で淹れたてのラテなどの販売もあるので、縁側の座布団に座ってゆっくり古民家の風情を楽しむのがおすすめです。海からの潮風を感じたり、風にそよぐ木々の音を聞いたりと心和むひと時です。
地元の素材もパンに使うのがこのベーカリーの魅力です。近くの農園のマーマレード入り「ショコラオレンジェ」や「片浦レモンのクリームチーズ」に加えて小田原の老舗蒲鉾店・鈴廣の「百年ちくわ」とカマンベールチーズが入った「ちくわーる」(280円)などユニークな発想でバリエーションも豊富。
さらに古民家の廊下には近所の農家で収穫したての新鮮なミカンやレモンの無人販売もあって、このエリアの空気感に自然と触れることができます。リフレッシュしながらのんびり過ごしてくださいね。

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