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【京都よりみちこみち】暮らしを彩るものが集う“家具の街”、夷川通:前半

  • 2021年10月22日
  • ことりっぷ


御所南を東西に走る夷川通は別名「家具の街」。
京都駅から地下鉄烏丸線で4つめの丸太町駅からすぐのこの通りは、暮らしを彩る上質なモノが集う大人のためのストリート。通りに面したショップには、丁寧に作られた美しい道具やアクセサリー、確かな審美眼で見いだされたモノがそろいます。とっておきを探しにでかけませんか。
鴨川の西岸から世界遺産・元離宮二条城に至るまでの、東西約2キロメートル弱の夷川通。
寺町通から烏丸通の間は「家具の街」と呼ばれ、かつては家具屋や建具屋が軒を連ねてにぎわう家具専門店街でした。地図を広げてみれば、界隈には鍛冶屋町、壺屋町、蒔絵屋町、絹屋町といった町名が見られ、京の暮らしを連綿と支えてきたお商売とゆかりの深いエリアであることが伺えます。
時とともに家具の街としての面影は薄れつつありますが、居心地のいいカフェや使い続けたくなる生活道具のお店が点在。訪れると暮らしを豊かに感じられそうです。
店主が旅先で出会ったテキスタイル&オブジェを扱うショップ「Umwelt(ウンベルト)」。日本や北欧、ヨーロッパのアンティークから現代のものまで、海や時を超えたセレクトアイテムが並びます。
店の一角に古書店「小さなあがたの森書房」があったり、奥の小上がりには日本の古い器も並ぶなど、好奇心を掻き立てられる空間となっています。
もともと古いものが好きだったという店主が、テキスタイルを学ぶため留学したデンマークでの暮らしのなかで「自分で作るよりも古きよきものを紹介したい」と思い至ったのがお店を開くきっかけになったそう。平屋造りの京町家の中に詰まった、さまざまな国の家具が奏でるディスプレイに見惚れます。
バゲットや本、野菜など入れるものを想定したバッグブランド「TEMBEA」(テンベア)の、東京・千駄ケ谷店に続く2号店となる直営店。日本の生地を使い国内工場でていねいに作っています。
定番のキャンバス生地のバッグ、ハンドルにレザーを使用したシリーズ、ユニセックスなキャップなど、日常のさまざまなシーンで重宝するアイテムはバリエーションも豊富。
ブランドを代表するアイテム、バゲットトートは持ち手が片側に1本だけなのが特徴。肩にかけたときにずり落ちることがなく、中身の出し入れがしやすいと評判です。コットンキャンバス生地は上質でハリがあるので、置いた時の美しさも見逃せません。年齢や性別にとらわれないシンプルな使い心地は、使うほどにやわらかくなり、使い手の体になじんでくれます。
「ウケンムケン」は、ハンドメイドのアクセサリーショップ兼工房。店名は、悩んだ末に広辞苑を開いて決めたという、仏教用語の「有見無見」に由来するのだそう。
おどけた表情に思わず笑みがこぼれる人気の「OBAKE」シリーズや、「夜空」や「植物」など、森羅万象を表現した小さなアクセサリーに心惹かれます。
店主の平良タイジュさんは「ひとりでいる時に見つける、そんなものがモチーフ。近くの鴨川や山にでかけること、海辺で落ちてる謎のものを拾うことが好きなんです」と話します。
型取りにはじまる幾つもの工程を経て生まれる繊細なアクセサリー。そのひとつひとつに、奥行きのある物語が込められています。
夷川通に暖簾を掲げて137年の「豆政 本店」は、豆菓子と和菓子の老舗です。初代考案の「夷川五色豆」は、炒ったえんどう豆に宮中に伝わる五彩色の砂糖衣をまとわせた伝統菓子。その仕込みには、良質な京都の湧き水が欠かせないといいます。日本茶と合うのはもちろんのこと、コーヒーとも相性抜群。年代を問わず楽しめます。
店内には豆菓子が30種ほどがそろいます。レトロなケースに入った量り売りコーナーもあり、好みで選んで気軽に購入できますよ。月の美しい秋にぴったりの、小豆を琥珀寒天でくるんだ「月しろ」(1枚140円)などの和菓子もぜひのぞいてみて。
水切りかご、茶こし、コーヒードリッパーなど、手編みの金網細工によるあらゆるキッチンツールがそろう「辻和金網」。店主の辻泰宏さんで3代目を数えます。
「亀甲編み」という技術を基軸に、編む回数を減らす・飛ばす・ねじる回数を変えるといった技を駆使し、網目に繊細な模様を作り出した生活の道具は実用的ながらも美しさも兼ね備えています。
「手付焼網」は、直火でパンを焼くと外はカリッ、中はふんわりと焼けるとパン好きからも好評。野菜や肉、魚、餅を焼くのにも重宝します。たわしでゴシゴシ洗ってもOKという気軽さも嬉しいところ。
食卓をより豊かにする「ゆどうふ杓子」や銀杏を炒るための網までもあり、見ているとニッチな道具もそろえたくなります。

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