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「OECD」 詳細解説

読み:
おーいーしーでぃー
英名:
Organisation for Economic Co-operation and Development

経済協力開発機構(OECD)は、世界経済を成長させるための国際機関として、前身である欧州経済協力機構(OEEC)を発展改組して1961年に設立された。2010年現在で日本を含む先進34カ国が加盟しており、わが国は米国に次ぐ拠出国だ。OECD設立条約は、経済成長への貢献、発展途上地域などでの開発への貢献、貿易への寄与の3つをOECDの目的としている。本部はフランスのパリにあり、約2500人が働いている。また、日本には「OECD東京センター」があり、OECDに対する理解をアジア・太平洋地域に広める活動を行っている。

最大の特色は、「世界最大のシンクタンク」としての独自の位置づけだ。経済政策・分析や規制制度・構造改革のほか、貿易・投資、環境・持続可能な開発、ガバナンス(統治)、非加盟国協力など幅広い分野に関する活動を、約1000名の専門事務職員が中心となって行っている。また、相互審査などの作業を通じて先進国同士が各国の経済・社会政策や制度を学び合い、改善することができるのも長所だ。毎年開催されるOECD閣僚理事会では、1年間の活動の総括や将来の活動方針などが議論される。

OECDは経済だけでなく、環境についても独自の予測に基づく評価と政策提案を行っている。1970年に環境問題をテーマとする環境委員会が設置された。同委員会は1992年に「環境政策委員会」に名称変更されている。同委員会では、1972年に汚染者負担原則(PPP)を勧告して以来、1996年の環境汚染物質排出・移動登録制度(PRTR)や、2001年の拡大生産者責任(EPR)などの重要な環境原則を採択し、加盟国に勧告してきた。一方、環境税などの経済的手法の導入に向けた調査分析にも力を入れているほか、G8サミット(主要先進国8カ国による首脳会議)に対して環境など各分野に関する情報提供や提言を行っている。

OECDは、将来の環境分野について予測する「環境アウトルック」を定期的にまとめている。2012年に「環境アウトルック2050」を公表した。オランダ環境評価庁(PBL)と共同で作成したシミュレーションモデルをもとに予測したものだ。2050年には環境汚染がさらに深刻化するとの認識に立ち、国際社会が環境問題を解決するために行動しなければ、経済的・人的の両面で大きな損失につながると警告している。

また、2010年11月に日本の環境保全の取り組みの進捗状況を総合的に評価・審査した「OECD環境保全成果レビュー・対日審査報告書」の最新版を公表した。その中で、地球温暖化問題を解決に導くため、排出量取引制度や環境税の導入などが必要であると提言している。

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