Paul Kerrisonというオーストラリアの写真家が今回のカンファレンスで講演した。
彼はwildlifeの写真家だが、深度合成で蝶の翅も撮っている。使っている機材など、基本はぼくと同じ方法だが、フォーカスブラケットを行う装置が、ぼくの場合は10年前のもので、彼のは数年前の新しいものだ。ソニーの超高画質のカメラを使い。一秒間に20回発光するprophotoのフラッシュを使い、何と1000枚以上の写真をフォーカスブラッケットでtiffで撮って合成する。その高画質には驚かされた。顕微鏡レンズはミツトヨで、ぼくも持っているレンズだ。違うのはフラッシュと、撮影枚数、マスターレンズ。マスターレンスは2枚構成のレンズを2群使った専用のものだ。やはりズームを使うより、かなり高画質のようだ。
壁一面に引き伸ばされた写真に近ずくと、何と鱗粉の構造までわかる写真になっていることがわかった。オオゴマダラの翅の写真も壁一面に拡大されていたが、そのごく一部を近ずいて見ると、電子顕微鏡でスキャンした画像とほぼ同じ画質になっているのだ。
ぼくは最近はフォーカスブラケットを自動で行う装置を使うのも面倒で、OM1のフォーカスブラケットで50枚ぐらいの画像を合成しているから、とてもここまで高画質の写真は撮れない。
この辺りも、時代は先に進んでいるようだ。彼とは、後半、同じアパートで過ごした。ぼくの話も、ずいぶん参考になったようだ。エントピアで撮影のための部屋を与えられていた。ぼくの昔の立場は、4年も行かなかったので。入れ替わってしまったのは仕方がない。
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