5月末から6月に不思議な形のトンボのような昆虫を見たことがないだろうか。よく晴れた日に、見晴らしのよい明るい草原をかなりのスピードで飛びまわっているのはキバネツノトンボだ。 トンボと名がついているけれど、アリジゴクの親のウスバカゲロウに近い仲間だ。とまり方もトンボとはずいぶん違う。活動中は翅を開いてとまり、休むときは翅を屋根型に閉じてとまる。トンボの触角は細くて短いけれど、キバネツノトンボは長くて先端が丸いチョウのような触角を持っている。ツノトンボという名前はこの長い触角からつけられたことがわかる。幼虫はアリジゴクのような巣は作らないけれど姿はそっくり。地面にいる昆虫をつかまえて食べ、2年かけて成虫になる。翅を開いた大きさは6cmぐらい、本州と九州にすんでいるけれど、数が減ってしまった場所が多い。幼虫時代が長いのでその間に草原がなくなってしまったらもうそこには住むことはできない。幸い小諸では数が多い昆虫で、キバネツノトンボを見たいと小諸を訪れる人もいる。
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