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海野和男のデジタル昆虫記

今年使ったカメラたち

今年使ったカメラたち
2016年12月30日

 毎年、年末に書いている今年使ったカメラの話し。自分で読み返すと、デジタルカメラの進化を見ているようで面白い。
 今年もいろいろなカメラを使ったけれど、新規に導入したものは例年より少ないかもしれない。全てが小型のカメラであるのが特徴だ。
 OVFの従来の一眼レフはNikonD810の他、ニコンD500、キャノンEos5D Mk3,Eos7DMK2を借りて使った。けれどメインはもっと小さいミラーレスカメラに移行している。
 写真は現在滞在しているマレーシアに持ってきた機材。今回は撮影がメインではないが、魚眼から超望遠までそろえ、一応何でも撮れる体勢にした。
その全てを並べてみた。中央のマイクロフォーサーズのオリンパスEM-1 MarkⅡがメインカメラだ。特に気に入っているのは300mmF4で、テレコンを付けるとフルサイズ換算840mmになる。こんな超望遠が手ぶれ無しに手持ちで使えるなどとは,使ってみるまで信用できないかもしれない。電子シャッター使用では1/10でもぶれない写真が撮れることも少なくない。フォーカルプレーンを使っても1/125も切れば,被写体ブレをのぞいてシャープな写真が撮れる。解像度も素晴らしく、一部を拡大してもシャープなので,とりあえず撮って,後で同定という向きにも便利だ。写真はタイのアオオビイチモンジ Sumalia daraxa。園内は拡大したもの。
EM-1 MKⅡはあまりにもよくできたカメラで、カタログやWEBの仕事で発売の半年も前に一度使ったら、それ以外のカメラを使う気がしなくなって困ったほど気に入った。何しろ発売が12月であるから、使いたくても何台かしかないカメラを借りられるときでなければ撮影はできない。そこで9月末のマレーシア、タイの取材では、カメラが借りられる日を選んでの出発になったほどだ。
 今回もまだ発売前だったが、幸い借りることができた。高いと言えば高いカメラだが、ぼくの若い頃と比べればフイルム代がかからないから、レンズなどを購入してもずっとお金がかからないのである。フイルム時代の1990年代は、フイルム現像代だけで年間200万円近くかかったのと比べれば,嘘のような話である。だから今の若いカメラマンは幸せであると思うのだ。写真で稼ぐのがたいへんなのは昔も今も変わらないけれど、写真の使用代金が半額ほどに落ちているのも事実であるし、デジタルカメラの進化で、努力すれば、すぐに老練なプロカメラマンに追いつくことができる。何ともうらやましい話である。
 他にはPEN-F、GX8、パナソニックのLX9,超マクロのおなじみTG-4。ビデオ撮影用のTG-TrackerとRX10Ⅱ。TG-Trackerはビデオ撮影用のアクションカムとして使っている(レールに載せた小さなカメラ)。RX10Ⅱはハイスピード専用。
 LX9は1インチのセンサーと,極めて明るいレンズを持つコンパクトデジカメである。マレーシアではカメラマンベストの両側のポケットにTG-4とLX9が入っている。TG-4とほとんど違わない大きさである。それでいて4Kビデオや4Kフォトが撮れる。4Kフォトを使ったフォーカス合成はオリンパスの深度合成と似た機能であるが、ピントを合わす必要はなく,画面何のあらゆる場所をカメラが勝手にピントを変えて撮影し、後から,範囲を指定して深度合成するモードである。
 25年前に小諸でハイビジョンの撮影があったときは,電源車が一台やってきて驚いたが、今はポケットに入るカメラで4kヴィデオが撮れるのだ。TG-Trackerなどはそのまま水の中に入れて撮影ができるというすぐれものだ。
 写真の世界もそうだが、ビデオの世界はこのところすごく進化した。同じような絵の取れる機材の値段は1/100ぐらいになったものもあるし、スチールよりも低価格化、高機能化が進んでいるように思う。若い頃に今のような機材があったら,撮影アイデアは無限に湧いてくると思う。残念ながらぼくは歳をとってしまった。若いって素晴らしいことだと思う年になってしまった。

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