今日から6月。木々の葉はすっかり葉を伸ばし、初夏から梅雨期へと季節は移り変わっていく。
小諸の天気も、晴れてはいても、季節の変わり目のような、なんとなく不安げな天候である。
一昨日は埼玉で撮影をして小諸にやってきたが、昨日は風が強いこともあって外へは出ずに、室内でデスクワーク。8月に小諸高原美術館で1ヶ月行う写真展の準備もまだほとんど手が着かない。3月でニッコールクラブの顧問を退任したので、今年は時間がたっぷりというもくろみだったが、写真集『自然のだまし絵 昆虫の擬態』の校正が4月はじめ、そしてつい先頃まで、もう一冊の写真集「世界のカマキリ観察図鑑」の入稿に追われていた(132ページオールカラー、22x20cm)。
世界のカマキリ観察図鑑は最初「わが愛しのカマキリ」というタイトルだったが、それでは売れないという営業などの判断で、タイトルを変更した。
この内容の本は、日本では1冊もないので、製作していく中で、だんだんと良い本になっていく気がして嬉しかった。カマキリの基本的な生態や一生は子どもの本に良くあるが、ここでも、もう少し詳しく載せた。カマキリの分類も実はまだまだ日本のものでさえ解明途中であるようだ。
日本のカマキリは7種を深度合成写真や、飛翔写真を使って紹介。世界のカマキリはマレーシアのものが中心だが、アジア、アフリカ、オーストラリア、中南米の章に分けて紹介。ニセハナマオウカマキリ以外は全て棲息国での撮影であるから、純粋なものである(カマキリのように飼育がさかんなものでは、出所が定かでないものもあるかもしれない)
およそ70種のカマキリを学名、和名付きで紹介、全てに科名も載せた。カレエダカマキリ科は8種載せることができた。カレエダカマキリの多くは2009年に記載されたもののようで、撮影時はずっと前のものも多く、撮影当時は新種だったのだなと感慨深い。
学名は誤りもあるかもしれないが、できるだけ種名まで、不明なものも属名までは載せた。全てのカマキリに和名を当てた。和名は今までに日本で使われてきたものを使うことを基本としたが、適切でないと思ったものは変えたものもある。
表紙案はデザイナーの西山さんにいろいろ出して頂いた。上が決まったもの、下がぼくが気に入った初期の途中のもの。10案以上も作って頂き感謝。表紙の場合、デザイナーや著者の意向だけではできないので、最終的には折衷案になることも多い。本当はプロジューサーが責任を持って決めるのが良いのだとも思う。
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