大都市の公衆浴場の経営者は石川県出身者が多いという。
実は連れ合いのおじいさんは風呂屋を経営していたのだが、能登から東京へ出てきて、丁稚からたたきあげたそうだ。風呂屋の組合みたいなもので滝尾会というのがあったそうだ。滝尾出身の風呂屋が10軒以上も東京にあったという。出身地ははどんな場所なのかと、思いついて寄ってみた。
突然思いついて寄ったのだが、電話帳で住所を調べた。いざ探してみると公衆電話は公衆浴場同様にほとんどなくなっている。駅に行ってみたら電話ボックスがあった。実家の名前は珍しい名前なので住所はすぐに見つかった。今も3軒ばかり同姓があった。七尾と聞いていたのだが、その隣町だった。滝尾村とも聞いたが、滝尾というのは小学校の名前に残っているだけのようだ。そこは中能登町井田という場所だった。
畑の中の一軒家と思ったが、けっこう大きな集落で、家の屋根が黒いのが特徴と思った。これは聞いたところによると、能登に共通することらしい。近くに立派な神社や寺が何軒かあった。それほど貧しそうな集落ではなかった。それとも都市で稼いで、それで故郷に錦を飾ったのだろうか。誰かが東京や大阪に出て風呂屋で成功すると、同じ集落から、同じ試みをしようとする次男や三男が現れたのだろう。
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