崑さんの愛称で愛された佐々木崑さんが逝かれた。 つい先日米寿の祝いをやったばかりだとおもっていたのに・・・
崑さんのことを知ったのはもう40年も前のことだ。昆虫の誕生をメインに命をテーマに取られていた。ぼくが駆け出しの頃、京都大学の石井象二郎先生のところにゴキブリの撮影で伺ったときも、「崑さんというとてもユニークな写真家のおじさんが来てね、粘ってゴキブリの孵化を撮っていったよ。ゴキブリの子供が卵から孵化するのが実にかわいい」というような話を伺ったこともある。
崑さんは自由人である。独立独歩で歩かれてきたが、いつも皆に愛されていた。。銀座のピルゼンという老舗のビアホールに連れて行かれ、お話を伺ったこともあるが、専用のジョッキがあって驚いた。文化の香りをかいだような気がした
10年ほど前「海野君、マレーシアはどうかね、君がよく行くからよほど良いところなのだろう。ちょっと住んでみたいと思うのだけれど、一度見に行こうと思う。」とおっしゃられた。80才近くになって、外国に住もうかと思うなんて、さすが崑さん、すごいなと思った。帰られてからお話を伺うと「四季のない国は性に合わない」とのことだった。それでもぼくはそうした崑さんの、思い立ったらやってみるという精神が大好きだった。
SSPの会長を退かれてからも、生物写真に入る前のドキュメント写真家としての作品を写真展で発表されたりした。当時のたくさんあるモノクロネガを自分で焼かなければとおっしゃっておられたがどうなったことだろうか。崑さんまだやり残したことがあるのでは?いや、これからだとおっしゃって、天国でプリント制作に撮影に励まれているのではと思う。崑さん安らかに
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