今日の大昆虫記熱帯雨林からの写真はアフリカ編、最初のページのゴリラだ。大昆虫記では各地域の最初にその地域の動物や風景が少しだけ載っている。
ルアンダでの部族闘争の直前にルアンダとザイールへゴリラを見に行った。霧の中のゴリラの翻訳者の羽田節子さんと動物写真家の立松さんと一緒に行った。
羽田節子さんとの出会いも日高研だった。ある時先生に呼ばれて部屋に行ったら、小柄でスレンダーな美人がいた。その人が羽田節子さんだった。羽田さんも日高研の卒業生だった。ぼくより何年か上なので、ぼくはその時まで伝説の人としてしか知らなかった。それが縁で、インドネシアやマレーシアにもご一緒した。ウオーレスの研究で有名な新妻さんも羽田さんに紹介していただき(といってもまだ学生上がりで、その時は有名ではなかった)スマトラからニューギニアの南のアルー島までウオーレスの足跡を追って旅をしたこともある、
ぼくは、熱帯雨林に行くために、数日だけ皆と別れたけれど、あとはゴリラとチンパンジーを観察した。チンパンジーは本当に人間に近く、あまり好きにはなれなかったが、ゴリラには本当に感銘した。とても優しいのだ。
ゴリラを遠巻きにしてのぞき見するように見るのだが、ゴリラは知って知らぬふりをする。そして移動するとまたその後を追うのだ、ある時大きな離れオスにであった、レンジャーが伏せろと言ったので、皆で物陰に隠れた。ゴリラはすぐ目の前までやってきた。かなり緊張した。ところがゴリラは地面をどんとたたいた。大きな音がした。そのとたんゴリラの怒りが消えたようだ。ゴリラは静かに去っていった。
ゴリラはこんなにおとなしい動物だから、人間に狩られて、衰退してしまったのだと思う。人もいつかそうなるだろうかと思った。
◎ビデオで贈る海野和男の昆虫教室。第41回「狩人カマキリ」配信はじまりました。ハナカマキリの捕食などの映像です。
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