小諸日記の読者の皆様、あけましておめでとうございます。本年も「小諸日記」、どうぞよろしくお願いいたします。


　昨年は皆さんの周りでも、写真を取り巻く状況がずいぶんと変わったのではと思います。特にデジタル一眼レフの世界では。かっては高嶺の花だった1000万画素を越えるカメラが、各社から10万円前後で多数登場しました。そんな中にあって、写真を大事に撮りたいと、フイルムカメラのほうも人気が回復してきたようで、今年はベルビア50が復活するという発表もありました。
　本来、写真は、誰が何をどんな立場で撮影し、それをどのように発表するかであって、デジタルもアナログもないのですが、写真愛好者が増え、元気が出ることは、とてもよいことですね。銀座の富士フォトサロンは、今年は赤坂の富士の新社屋に移るようです。フイルムだけの写真展を大勢のプロを集めてオープン記念に行うようです。気がついたらフイルムは、昨年は、おもちゃカメラのHOLGAと、大人の科学の付録のピンホールカメラでしか使っていないので、古い写真を出そうか、それともHOLGAで撮影した気に入っている写真にしようか思案しています。
　昨年、インターネット上の掲示板から生まれた写真展がコニカミノルタプラザという老舗の写真展会場で行われました。昨年の正月に、新たに何か新しい秩序が生まれてくるのではないかと思います。などと書きましたが、確実に新しい世界が花開いているのだなと確信しています。　毎日更新は、今ではブログや掲示板で当たり前になりました。日々更新の昆虫サイトも多いようです。アトリエで働いてくれている高嶋君も今年の７月からはブログをはじめました。　ブログの発展で、さまざまな方が、自分の意見をインターネットで発表したり、自分が面白いと思っていることを伝えることができるようになったのです。
　現実の世界では格差の拡大なども問題になっています。ぼくが特に感じるのは経済的格差よりも、情報格差というか、インターネットを上手に使う人とそうでない人との間に、認識の違いが広がっているように思うことです。掲示板などを見ていると、投稿者の間では当たり前だと思っていることが、実は多くの人が知らなかったりします。旧メディアを主に利用する人と、新メディアしか見ない人との間に認識の違いが生まれるのは、社会にとってとても危ういことだと思うのです。双方共に、違う世界があることを認識することが必要だと思います。
　産業革命以来の大変革の時代ですが、昨年のライブドア事件あたりを境として、このところやや後戻りした感があります。権力が強くなり過ぎる心配も少しあります。けれどインターネットがこれだけ普及した世界では、戦前の日本のように、権力が強くなり過ぎ勝手なことをしたり、世論を誘導したりすることはもう不可能なのではと楽観しています。
　団塊の世代はまさにぼくの世代ですが、今年はいよいよ多くが第一線から引退する年なのですね。「老兵は死なず、ただ立ち去るのみ」とはマッカーサーの言葉ですが、やはり第一線が変わらないと、新しい世界は訪れないのかななどとも思います。
　写真の世界というのは生涯現役の世界ですが、世代交代はとてもゆっくりです。何しろ同世代が引退する中で、ぼくはどちらかといえば、写真界ではまだまだ若手だということですから・・・・ほんとうはもっと若返った方がよいのかなとも思います。そう言った意味では退職制度というのは意味を持っているのかも知れないと思うこの頃です。
　写真は今年の年賀状です。ケンランカマキリとキンイロコガネ、ナナホシキンカメをのぞいた他の虫は全て昨年の撮影です。現場に白バックを持っていって、生きた虫を置き、その場で撮影した白バックの写真を１枚の画像にした物です。タマムシは日本で、後はマレーシアと、ペルーの熱帯雨林の虫たちです。

◎　小諸日記へのご意見ご要望はこちらへ。アンケート方式になっていますが、ぼくの所に届きます。メールアドレスや名前などの欄もありますが、書き込まなくても結構です。メールアドレスの有無にかかわらず、こちらからの返信はできないことも多いと思いますのでその点はご了承下さい。
　また、小諸日記にブックマークしていただく場合、最新50というこのページがよいのではと思います。これだと間近の小諸日記５０ページの目次が出ますので見過ごしたページの中の見たい物を選んで見ていただけます。