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海野和男のデジタル昆虫記

ストロボの功罪

ストロボの功罪
2006年10月24日

 今日は東京、いろいろな人と会った。最後にみえたのが弘前大学の城田先生。30年も前の話だが、大阪大学での昆虫学会の時に会った。城田さんは正木先生の弟子で、ぼくは日高先生の弟子だったりして、恵まれてはいたのだが、昼休みに二人で花壇の縁に腰掛けていろんな話をした。というわけで、今日も東京から。
 ストロボをどう使うかの話。ストロボは1/1000より短い世界で時間を止める手段だ。そこにこそ昆虫写真にストロボを利用する価値があるのだ。例えば深い被写界深度を得るために絞り込んで撮影する時に使う。そうすると自然光の影響はなくなり、ストロボの閃光時間が露光時間となる。またぼくがよく使う広角レンズでのストロボ使用では、自然光の露出時間の中で、ストロボがあたったところだけ、ストロボの閃光時間での露出が加わる。
 この2枚の写真は単に上が自然光、下がストロボを使ったものだ。こういった場合はストロボは影を消したり、色にストロボ光の影響を与える以外には役立っていない。
 こういった写真にストロボを使用する価値はあまりない。ストロボは色を美しく見せる意味合いもある。ストロボの色温度が一定だからだ。けれど我々は、様々な条件で色を見ている。ストロボでレフ判のように見せる方法、昔は写真を知らない昆虫写真家にとって思いもつかない方法だ。今はそれが当たり前。
 でもそれでいいのかなと思うこのごろ。ぼくがストロボを使うのは、ストロボの閃光時間と自然光の時間との時差がおもしろいからだ。
D80 AWB マレーシア

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