田植えから約一ヶ月。田んぼを回ってみると、卵を背負ったコオイムシがそこら中に見られる。こんなに数が多かったかなあ、と驚くくらいだ。一方で、写真のような不幸な姿になってしまったものも少なくない。つぶれた卵は既に幼虫が孵化したあとのようだが、残った卵には幼虫の目が透けて見えている。水底に沈んだままで呼吸もできず、卵はすでに死んでいるだろう。
このコオイムシの死は除草剤の影響と考えて間違いないだろう。写真でも泥の中に白い粒が見えるが、これが薬である。オタマジャクシは平気で底の泥をパクパクやっても死なないが、そうした生き物を捕らえて食べるコオイムシは、薬への耐性はできていない。
それでも小諸周辺の田んぼにはコオイムシが実に多い。これからも、たくましく生き続けて欲しい。
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