スーパーアングロンという著名な広角レンズを付けたこのカメラはライカフレックス1型である。ライカ初の一眼レフカメラでもある。発売は東京オリンピック年、1964年だ。ライカはレンジファインダーカメラのM型で大成功し、ビゾフレックスを付ければM型も一眼レフになるのだから、あまり一眼レフの必要性を感じなかったのであろうか、他のメーカーが高級機は一眼レフという時代になって、はじめて競争に加わったわけだ。そのがっしりとした作りはなかなかのものであるし、明るいファインダーも見やすい。ただし一眼レフならではの被写界深度の確認はこのカメラではできない。絞り込みボタンもないし、ファインダーそのものが、絞り込んでも深度を確認しずらい作りになっている。
そこで当時は不評を買ったようだが、考えてみればこの写真を写したオリンパスのE10もライカフレックス同様に絞り込みボタンはないし、あっても多分確認しづらいファインダーである。そう考えてみると案外ライカフレックスは先見の明を持ったカメラであったようにも思えてくる。ライカフレックスには前期型と後期型がある。前期型はフイルムカウンター窓が扇形で、後期型は丸い。写真のカメラは前期型である。
◎クラシックカメラで自然を撮る(仮題・カメラ100機種以上の写真と、そのカメラで撮影した200枚以上の写真で構成)6月人類文化社より発売予定。
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