今回持ってきているクラシックカメラはソ連の一眼レフ、キエフ15TEEである。
マウントは1965年から製造された外光式セレン露出計内蔵のキエフ10とこのキエフ15TEE専用のバヨネットマウントだ。キエフ15TEEはcdsを使ったTTLシャッター優先AE機で1974年から製造された。 シャッターは扇形金属板の回転式のシャッターで、オリンパスペンFなどを思わせる。シャッターもレンズの絞り羽根も銅色をしていて綺麗だが、絞り羽根は内面反射がちょっと心配だ。
絞りの調節はボディーにある。AEで使う場合が絞りダイアルををAEのポジションにしてシャッターを半押しすると適正値まで絞りが絞り込まれ、さらに押すとシャッターが切れる。壊れやすそうな機構で、今まだちゃんと動くのが不思議なくらいとも思った。
このカメラは初めて見たときライカフレックスに似ているなと思った。持った感触もボディーの大きさやがっしり感もよく似ている。ライカの初代一眼レフ、ライカフレックスも東京オリンピックのころの生産だから、時期もほんの少しライカが前である。そしてこのカメラはキエフブランド初めての35mm一眼レフでもある。同じ時期のソ連のゼニットなどと比べると品質、機構などキエフがはるかに進んでいて、当時のソ連の技術を駆使しての生産であったと思われる。
◎クラシックカメラで撮る自然、2002年春刊行予定
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