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海野和男のデジタル昆虫記

今日のクラシックカメラ(マクロキラーとアルパ8b)

今日のクラシックカメラ(マクロキラーとアルパ8b)
2001年12月08日

アルパはスイス製のカメラだ。1944年から生産をはじめ、様々なモデルがある。いずれも手作りに近い少量生産で、40年あまりで4万台ちょっとしか生産されなかった。月にすれば100台という少なさだ。当然価格は高く、ドクターズ・カメラなどと呼ばれた。医者が金持ちということもあるが、科学的な目的にアルパが使われたことにもよる。アルパには接写の用品が揃っていた、そして最も多く使われたのは研究所などだ。
 このカメラに興味を持ったのはアルパが接写システムをいち早く構築したカメラであるからだ。このアルパ8bは1959年から1960年にかけて410台しか作られなかった。アルパで斜め45度のファインダーを持っているアルパの最終モデルが8と8bである。(8bはクイックリターンミラーが付いているところが8と違う。bタイプはレバー巻き上げのものが多いが、これはノブでの巻き上げだ)。45度のファインダーは顕微鏡などにつけて写真を撮るときには便利なものだが、野外では使いにくい。
 つけてあるレンズはドイツかリヒテンシュタインのレンズメーカー製のキルフィットのマクロキラー90mm/2.8である。鏡筒が何段繰り出しにもなっていて、こんなに伸びる。伸ばすと等倍以上の撮影が可能である。鏡筒の一部は取り外せて、各種のカメラ用があった。下の写真は左がレンズ(本体にもヘリコイドがある1/1.7倍まで)、中央アルパ用(ヘリコイド付き)、右はニコン用(ヘリコイド無し)アダプター。ハッセル1000Fなどブローニー判にも付いた。またアリフレックス用のマウントもあり、1950年代から60年代の自然の驚異といったようなたぐいの映画はたいていこのレンズで撮られたらしい。
 よってアルパを知る以前にマクロキラーはあこがれのレンズであった。なかなか高くて買えなかったが、最近ではさすがに実用に使う人が減ったので非常に安く入手できるようになり購入したものだ。けれど激しく使われたものが多く、鏡筒は綺麗でもレンズは傷だらけだったりする。これがまた良いのである。

◎クラシックカメラで自然を撮る2002年初夏発行予定

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