戦前から1950年代のロシアのカメラはライカに擬態していた。昆虫などの擬態と違って人が恣意的に擬態させた物だ。しかし当時はそれが最高のカメラを作る方法であったから、擬態と言うよりも収斂とも見ることもできる。しかしその偽ライカにleitzのロゴなど入れればこれは立派な擬態である。
さて写真のカメラは上がライカ3cの軍用モデル。グレーの軍用モデルはナンバーにkがつく。このカメラはそれがついていない善意のレプリカである。ボデイーは戦中に製造された本物のライカ3cであるから機能も本物と同じだ。軍用モデルは当然はげてグレーの色もくすんでしまっているけれど、このカメラは後塗りであるから当たり前だが、新品みたいである。レンズはロシア製のビオゴンコピーのジュピター12、35mm2.8である。当時のカメラはファインダーは50mmであるから、焦点距離の違うレンズを付けるときはこのように別のファインダーを付ける。
下のカメラはロシアのフェドのスターリンモデルである。いわゆる記念モデルであるがこのカメラはあまりにもきれいだから、多分スターリンモデルのコピーである。ボデイーはちゃんとしたフェド1型で、レンズもすこぶる写りがよい。これはレンズキャップまで新しく作り直してあり、悪意のある擬態と見ることもできる。それでもきれいでよく写るからお気に入りだ。(フェド50mm/3.5はエルマーよりよく写ると行ってよいぐらい高性能のレンズである)
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