ナチュラリー・ボールダーを支援する地元企業
アロン氏が手がけたボールダーズ・ベスト・オーガニックスのイベント会場で ナチュラリー・ボールダーはオーガニック食品業界で自らを消費者に対する生涯教育者として、そして新興オーガニック食品企業のサポーターとして位置づけ活動を続けている。またコスト面の問題からまだオーガニック認証取得には至らない多くの優良企業に対しては政府系ファンドの紹介などサポートを惜しまない。「企業によっては優れた商品を提供しているにも関わらず、その敷居の高さ故オーガニック認証を取得する意欲を削がれてしまう場合が多々ある。優れたオーガニック商品と知られずに存在する企業と政府系ファンドなどの橋渡しを我々ナチュラリー・ボールダーは行っている」
アロン氏との談話であっという間に夜が更けてしまった。帰り際の彼の笑顔にナチュラリー・ボールダーのミッションと彼のボールダーに対する愛着が重なって見えた。アロン氏がボールダーをこよなく愛する理由を最後の質問として聞いてみた。「以前ボールダーのための会社を立ち上げたときからボールダーを愛する気持ちはずっと変わらない」その会社の名前はボールダーズ・ベスト・オーガニックスと言い、ボールダー地産の商品をギフトボックスとして販売する会社だった。成功を収め、2008年にはボールダーで二番目に急成長した企業として表彰され、その後アロン氏が他社へ売却した企業だ。
当時、アロン氏を訪ねて来た家族や友人がボールダーの自然を楽しんだ後、決まってお土産に購入する地元のオーガニック商品があることに気がつき、それを一つのカラフルなギフトボックスに詰め込んだことが起業のきっかけだった。彼がこのビジネスを通して学んだことは、これらギフトボックスに詰め込んだすべての商品は地元ボールダーっ子も日常的に購入し愛用しているという点だった。観光用のお土産という役割に留まらず、地元の人々の間でもギフトとしても頻用される商品に成長したのだ。地元の人々は今もこのギフトボックスを誇りに思い愛着を寄せる。「自分の町をここまで誇りに思えるということは幸せなこと」とアロンは微笑む。
ボールダーのナチュラルスーパー、アルファルファズのお菓子売り場。オーガニック認証プラスαの持続可能性に関する様々な認証マークを目にする オーガニック食品業界はまだまだ未成熟な市場だ。ナチュラリー・ボールダーのような団体が国中に広がり、教育、オーガニックに対する定義付け、若い企業のザポート及び既存企業のオーガニック化を支援し続けている。このような活動努力によって、消費者意識は日増しに高まり、冒頭で述べたボールダー郡でのGMO認可のような問題も近い将来、郡の役人ではなく意識の高い消費者たちによって解決される日がくるだろう。