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Vol.19 藤安義雄さん
街にココロに菜園を

  • 2010年8月1日

先端ビジネス創業の時代…そして今、環境ビジネスへ

 「学生時代は『動員屋』のような学生ビジネスをしていました。仲間とスキーツアーやTV局スタジオに観客を動員したり、大手企業の宣伝のために学園祭に大きなステージを作るなど、当時すでに事務所を持ち(世の中に携帯電話がなかったので)ポケットベルなどを持って、ビジネスカバンを持ち歩いている学生生活でした。1970年代、学生ビジネスのはしりで商売として繁盛しました」と当時を振り返る藤安さん。

食品メーカーの「企業イメージガールの育成と派遣」
食品メーカーの「企業イメージガールの育成と派遣」
 「大手の化粧品メーカーやコピー機、カメラ、飲料、コンピュータ—などの宣伝・販売を担うキャンペーンガールや営業マンを派遣する仕事です。独自の採用と教育システムが好評となり、多い日には300人以上の人材を派遣するまでになっていました。プロモーション人材を発掘するために毎日100人以上面接し、月に何百人もの研修をして、更に土日はイベント会場に行って運営管理にあたるなどエンジン全開の毎日でした」
 多くの応募者の中には社会適応能力の低い人、対人恐怖や自律神経失調、軽度の鬱などで引きこもり傾向の強い応募者もいたそうです。「そんな人も特別扱いせず容赦なしの気合の訓練を受けさせ、個別のカウンセリングで社会性を取り戻すように誘導しました。その手法はこうです」と藤安さんは、その手法まで話してくれました。

  1. 容姿や外見をほめる『ハンサム』『背が高い』『男らしい体格』スタイルバランスがイイ、素晴らしい、声がイイ、人柄が立派、手がきれい、髪の毛にツヤがある、学歴が立派、どんなことでも素晴らしい人材として信じてあげるところからスタートです。
  2. 大きな声と歩き方を特訓する。ご飯をしっかり食べさせる。
  3. 恋愛を促す(きれいなキャンペーンガールにはやさしく積極的におだてるように業務命令)
  4. 問答無用で見込み客1000人以上に飛び込み営業させる。するとなぜか必ず結果が出る。
  5. 営業成果をきれいなキャンペーンガールがほめてくれる(再びヤラセ)『さすが○○さん』
  6. もらった給与は恋愛に使うように仕向ける。
  7. 自分像に自信がつき容姿や外見にお金と気を使いだす。

たったこれだけの繰り返しで何十人ものモジモジ君が社会適応能力を取り戻し優秀な社会人に成長して巣立って行き、ご両親からは「家から出ずに孤独で仕事に就かない子どもが毎朝楽しそうに出勤してくれるように変わりました。有難うございました」と涙で感謝される機会も多くあったそうです。

オーガニックEXPO 2010で有機肥料と都市菜園の普及を呼びかける藤安さん
オーガニックEXPO 2010で有機肥料と都市菜園の普及を呼びかける藤安さん
 「自動車、電気製品や通信などデジタル製品が台頭し事業は成功、2000年まではビジネスとしての一番面白い部分を体験できることが出来ました。そして中国インドをはじめとするアジアが経済の主流を握ったとたんに国内企業の広告や販売促進が影を薄め、事業の未来が見えなくなってきました。多くの失業者を抱える半面、農林水産分野は若い担い手が少なく高齢化が一段と進むという状況です。これからは環境、特に緑化や農業などの分野にビジネスチャンスが生まれてくることを確信しました。
 一般的には1次産業での人材ビジネスは難しいと言われています。しかし『需要があれば活路が見出せる』の気合で、そして環境改善・食料確保・雇用創出などの一助になること、自分の興味のあることを始めたいと思い仕事にしました」と時代をとらえて生きてきた藤安さんならではの考えです。


「都市景観」と「ココロの健康」… 都市菜園プロジェクト

菜園 そして今、都市菜園という新しいコンセプトで企業や自治体を巻き込んだ社会実験としての「都市菜園」のプロジェクトを計画しているそうです。
 「企業の持つ遊休地や自治体の持つ遊休地を菜園として短期間でも対応できるプランターを開発し、土地を客土などの改造なしで2〜3坪のオーガニック菜園を1単位として20〜30区画を1敷地内につくる計画です。置き型なので設置や撤去も簡単で都市の景観や住民へのサービスを充実することが出来ると考えています」

 このプロジェクトの最大の狙いは「企業の社会貢献としての土地の提供、新しい公共を模索する自治体等の遊休地の提供協力です。2年間建築計画がなければ貸し出させようというアイデアです」ん〜確かに、すばらしい計画ですね。
 企業の社員の4割は心が病んでいるという調査があります。企業のCSR、社員のココロとカラダの健康管理に。自治体等の遊休地はコミュニティーサービスとしてなど色々と考えられますね。都市景観、ヒートアイランド対策にも、そして「ココロとカラダ」の健康にも、いろいろなメリットがありそうです。
 「野菜を育て、収穫し、食べることが出来るという循環は、家庭菜園のブームもあり大きな反響があると信じています」


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